百済観音
林家きく麿の「くだらな観音菩薩」 第1回
- 連載
- 落語

画:林家 きく麿
連載スタート!
はじめましての方も、はじめてじゃない方も、はじめまして林家きく麿です。
連載させていただけるのが嬉しいなぁ! 普段のどうでもいいことから、細やかで大事な事柄、重大事件に至るまで、くだらない目線で書き続けていけたら良いな、と思っております。どうぞお付き合いくださいませ。
タイトルの『くだらな観音菩薩』ですが、実は百済観音(くだらかんのん)様のお名前を使わせていただいております。
編集部から「連載のタイトルをどうしましょう?」と尋ねられ、いろいろと考えたのですが、なかなか良いタイトルが思いつかず、途方に暮れてしまいました。街をさまよい歩き、公園のベンチでひとり、ジャイアントカプリコのミルク味の白い部分のみを食べるという難しい課題に取り組んでみたりもしました。
うまく食べることができたら、きっと良いタイトルが浮かぶに違いない! そう思ってチャレンジしてみたのですが、なかなか難しく、気づくとジャイアントカプリコが私の手から消えているのです。つまり、全部食べてしまっていたのです。
ありゃりゃ、ダメだこりゃ、というわけで、タイトルは「林家きく麿の『くだらな観音菩薩』」に決まりました。
百済観音様との出会い
実は、私は仏様を見るのが大好きなんです。そして、一番好きな仏様は、法隆寺の大宝蔵院(だいほうぞういん)にいらっしゃる百済観音様。
最初にお会いしたのは、中学生のときです。修学旅行で訪れた法隆寺の金堂(こんどう)の隅にいらっしゃいました。ただ、その頃は仏像にまったく興味がなく、ただ眺めているだけでした。
でも年を重ね、いろんな神社仏閣を巡り、多くの仏様に会い続けると、だんだん好きになってくるんです。最初は可愛くないと思っていたアイドルがだんだん可愛く見えてくるアレと同じです。皆さまも経験あるんじゃないでしょうか? ――「アレ」って何だよ!と、誰もいないのに、ひとり心の中で突っ込んでしまうこと、あるある~、あるあるあるあるアルデンテ!
いやいや「仏様とアイドルを比べるんじゃないよ!」って話ですよね。でも、仏像と偶像も崇拝されるものとしては似てるんで、許してちょうねんてん。