鈴之助の弟子入り志願物語 (前編)
鈴々舎馬風一門 入門物語 第13回
- 落語
鈴々舎 鈴之助
2025/07/11
雑誌で特集された前座時代の筆者 その1(当時23歳)
キラ星の芸人たちに憧れて
私が中学生の頃、漫才ブームが空前の盛り上がりを見せていました。
横山やすし・西川きよしさんを筆頭に、ツービート、B&B、ザ・ぼんち、紳助・竜介、コント赤信号――まさにキラ星の如く芸人たちが活躍しており、私はその影響を強く受けていました。
その頃から私は目立ちたがり屋で、人を笑わせるのが大好きな性格でした。文化祭では、友人とコンビを組んで漫才を披露したのですが、ドッカンドッカンと笑いが起き、観客からの拍手も大きく、今でも忘れられない思い出となっています。
当時、日曜日の昼に放送されていた『TVジョッキー』という人気番組がありました。司会は土居まさるさん、アシスタントは相本久美子さん。番組内には、素人が一発芸を披露するコーナーがあり、出演者は記念として白いギターがもらえました。
私はこの白いギターを「お笑いの世界への登竜門」だと勝手に信じ込み、出演を夢見るようになりました。中学3年間の夏休みには、東京までの交通費が支給されることもあり、毎年オーディションに参加します。
しかし、結局、その白いギターを手にすることはできませんでした。
「ツーシャンの飯田」誕生秘話
高校生の頃、フジテレビで正午に放送されていた人気番組『笑ってる場合ですよ!』に、あのダウンタウンが出場したことで知られる「お笑い君こそスターだ!」というコーナーがありました。私も友人とコンビを組んでオーディションに挑戦しましたが、残念ながら出場の夢は叶いませんでした。
それでも私のお笑いへの情熱はますます高まり、決して冷めることはありません。当時、漫才ブームに匹敵するほどの根強い人気があったザ・ドリフターズにも魅了され、『ドリフ大爆笑』の加藤茶さんや志村けんさんのような存在になりたいと、東京へ行く決心をします。
地元・水戸の高校を卒業後、念願の上京を果たしますが、地方出身の私は何をどうすればよいのか分からず、ただただ途方に暮れる始末。生活をするためには「何か行動を起こさねば」と考えていたところ、一緒に上京した友人が「美容師を目指す」と言ったことがきっかけで、私もその流れに乗っかることにします。
気がつけば、荻窪にある「赤いリボン」という美容室で働き始めていました。意外なことに、私のシャンプー技術は好評を博します。私の本名は飯田弘幸なのですが、やがて「ツーシャンの飯田」と呼ばれるようになります。
しかし半年ほど経過した頃、「国家試験を取得するために専門学校に行く必要がある」と言われ、美容師の仕事を辞め、改めてお笑い芸人を目指すことにしました。
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