憧れ
座布団の片隅から 第1回
- 連載
- 落語

中島らもさんに憧れ、いつかは自分もエッセイを書きたいと思っていた…
憧れは叶う
ずっと憧れていたことが一つ叶った。落語家になる前から、エッセイの仕事をやってみたかったのだ。
そんな私が今月から月一回の連載を担当することになった。とてもうれしい。というわけで、第1回目のテーマは「憧れ」。
私の職業は落語家。師匠は三遊亭兼好である。さらに兼好の師匠(私の大師匠)は、人気番組『笑点』のピンクの着物でおなじみの三遊亭好楽だ。落語家は自分の師匠に憧れて、その門を叩くわけで、もちろん私もその一人だ。
しかし、落語家になると、師匠以外にも憧れの先輩が出てくる。「我以外皆我師(われいがいみなわがし)」とはよく言ったもので、そんな先輩たちからアドバイスをいただけるのが、この世界の素晴らしいところだ。
ある憧れの師匠から、「やりたいことや目標は口に出していると、そのうち叶うよ」と言われたことがある。いわゆる“言霊”というやつだ。売れている師匠の言葉だから信じることにして、1~2年前から高座で「エッセイの仕事がしたい」と細々と喋り続けていた。すると、本当にとんとん拍子でこの連載が決まったのだ。