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布袋の大仏
林家きく麿の「くだらな観音菩薩」 第3回
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- 落語

布袋の大仏様(画:林家きく麿)
当たり前の凄さ
こんにちわな人もこんばんわの人もおはようございます、林家きく麿です。
第3回を迎えました「くだらな観音菩薩」ですが、毎回、大好きな仏様をテーマにしているわけですよね。となると、この仏様を出さないわけにはいかないじゃないか! そう、布袋の大仏様です!! 知らない人は知らないが、知ってる人なら知っている、あの大仏様です。
ちなみにこのフレーズ、「♪知らない人は知らないが、知ってる人なら知っている」は、全国の小学生に「当たり前やんけ!」の突っ込みを入れさせたに違いない、アンパンマンの絵本のCMソングなのですが、実はこれ『怪傑アンパンマン』という歌のフレーズなんですね。
で、大人になって感じるのは、このやなせたかし先生の作詞、当たり前のことを当たり前に表現して筆に乗せてるわけじゃないですか……。凄いですよね。
だって、人って大人になると、「いいところを見せよう」とか、「賢く思われたい」とか、「裸になった時、下腹に力を入れて少しお腹を凹ませる」とか、無意識に格好をつけてしまいますよね。素直な言葉を素直に伝えるって、なかなかできないことだと思うんです。
私も落語を自分で創るので特に感じます。「ちょっと捻ってみよう」「聴いてる人の足をすくってやることで、笑いが起きるはずだ」「この部分で伏線を入れてみよう」「おぉ、そうなんだ、この人とこの人が実は繋がっていたのか」とかね。複雑にして、聞いている人に「おぉ、凄い作り込んでる!」と思われたいとかね。