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そうめんの違いがわからない男、専門店へ行く
「かけはしのしゅんのはなし」 第2回
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兄さんたちと食べたい、美味しいそうめん(画:信吉)
そうめんは、内弁慶の王様!?
いま、カフェ・ベローチェにいます。編集部のIさんからテーマをいただいて、このエッセイを書いています。隣の人と「一杯のアイスコーヒーでどれだけ居座っているんだよ」という牽制をお互いにしながら書いています。
今回のエッセイのテーマを決めたところで、二杯目を注文しました。数的優位に立ちました!
今月のテーマは、「そうめん」です。夏にふさわしいテーマですね。よく食べます。小学生の時に照りつける夏の日差しから命からがら帰宅をし、ドーンと山盛りのそうめんが食卓に出てきた光景はよく覚えています。“そうめん山”に箸を突っ込み、歯に染みるぐらいよく冷えた麺つゆにつけて一心不乱に食べていました。
お腹が空いている時にそうめんを食べると、永遠に食べ続けることができるんじゃないかと錯覚する喉越しの良さ。夏休みの思い出の味。夏といえばそうめん。夏の不動のセンターはそうめん。曲によってはスイカがセンターでも、ファンが求めているのはそうめん。
でも、そうめんって、外食しようとは思わないな。人生で「今日は外でそうめん食べようか!」という場面に出くわしたことありますか? ラーメンや蕎麦、うどんは外食したいと思いますね。不思議。そうめんが麺類の中では外食人気ランキング最弱の可能性、ありますよ。不動のセンターではなく、圧倒的な内弁慶なのかもしれない。
考えられる可能性として、そうめんは家庭で食べても満足で美味しいというのがありますね。ネギだけではなく、シソやミョウガの薬味を使ったり、変わり種として麺つゆに角切りのトマトに大葉とごま油を数滴入れたり、イナバのグリーンカレー缶をつけ汁にしたりと、家庭内アレンジをやったりしています。
あと、腹持ちも気になります。家だとたっぷり茹でて食べることで満足感を得られますが、外で同じ量を食べるとなると金額が恐ろしいことになりそう。やっぱりそうめんは、家で食べるに限ります。