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インド感動旅日記
「ラルテの、てんてこ舞い」 第2回
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仲間の笑い声が旅の締めくくり
カレー三昧の毎日は、参加者を辟易(へきえき)させたが、私は最後まで美味しいと言って食べ飽きなかった。
めくるめくインドの旅は、あっけなく終わり、私は日常へと戻っていった。
不在中、迷惑をかけただろう職場の仲間たちが温かく迎えてくれた。「姉さんが帰って来たから、皆でランチに行こう! 店は予約してある!」というので喜んで参加したら、店は麹町の「アジャンタ」だった! 老舗のインドカレー屋である。
悪戯っぽい笑みを浮かべた仲間たちの、ちょっと意地悪な歓迎が何となく嬉しい。私のインド漫談をゲラゲラ笑う顔、顔、顔。ああ、仲間っていいな。
今日もカレーが目に沁みる。
注釈:私の体験記はずいぶん前のことである、今のインドとは違うかもしれない。また、機会があったら行ってみたい。インドは、私にとって竜宮城なのである。

- 書名 : 河童が覗いたインド(新潮文庫)
- 著者 : 妹尾河童
- 出版社 : 新潮社
- 書店発売日 : 1991/03
- ISBN : 9784101311036
- 判型・ページ数 : 文庫判・304ページ
- 定価 : 825円(本体750円+税10%)
(毎月17日頃、掲載予定)