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私が思う「落語界とお笑い界の違い」(中編)

ピン芸人・服部拓也の「エンタメを抱きしめて」 第3回

お笑いは若手、中堅、ベテラン

 一方、お笑い界は、基本的に階級制度はなく、何となく芸歴で呼び方が変わってくるのが近い気がします(もちろん、大阪の漫才師の「師匠」と呼ばれるような方々は「真打」のようなイメージです)。

・デビュー1年目~10年目が「若手」
・11年目~20年目が「中堅」
・21年目~が「ベテラン」

 といった感じで何となく、括りのようなものはあるのかもしれません。しかし、お笑い界はメディア的に「売れる」まで皆、若手のような雰囲気は薄らあります。

筆者の3年目

 元々、出場資格が結成10年以内だった若手漫才師の大会『M-1グランプリ』も2015年から結成15年以内に変更されて、若手の括りが広がったと思います。私が中学3年(2001年)の時に始まったM-1ですが、初代王者の中川家さんは当時、結成9年ながらベテランの風格に見えました。

 そこから、『エンタの神様』や『爆笑オンエアバトル』などのネタ番組も増え、「お笑いブーム」という言葉もよく目にしました。学生時代にテレビで色んなお笑い芸人さんが売れて世に出て行く・来る様子をワクワクしながら観ていましたが、20代で売れた人は若手、30代で売れた人は、子供ながらベテランという印象がありました。

 そして、2020年頃前まで、ライブシーンで活躍されていた2021年『M-1グランプリ』の王者で、40代と50代のコンビ「錦鯉さん」もM-1がキッカケで売れて、完全に見た目がオジサンの若手(メディア的には若手になるのかもしれません)が誕生しました。

 という具合にお笑い界には、世に出る大きなチャンスの大会「賞レース」と言われるモノが1つの軸で、私的なイメージですが、現在はこんな括りになるのかもしれません。

・デビュー1年目~15年目が「若手」
・16年目~25年目が「中堅」
・26年目~が「ベテラン」

 私も中堅になるので、これを落語家さんの芸歴で照らし合わせると真打に値することになりますが、まだまだそんな器ではないと自負しています。いつか「師匠」と呼ばれても胸を張れるように頑張りたいと思います(笑)