2025年5月のつれづれ(ありがとう一風亭初月、おめでとう港家小蝶次 浪曲界の未来へ向けて)
杉江松恋の月刊「浪曲つれづれ」第1回
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天中軒すみれが挑む『陰陽師』初の浪曲化
もうひとつ手前味噌ながら、関東のホープ・天中軒すみれの挑戦についてもお伝えしたい。
天中軒すみれは、東京藝術大学を卒業して、五代目天中軒雲月門下に新卒で飛び込んだ。入門7年目となる今年、夢枕獏原作『陰陽師』(文藝春秋)の浪曲化に挑む。

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平安京を舞台に陰陽師・安倍晴明と親友の源博雅が怪異の解決に挑む連作で、岡野玲子による漫画化を筆頭に映画などさまざまなメディアで扱われてきた。天中軒すみれの声節と、関東浪曲界を代表する曲師となった広沢美舟という得難いコンビにより、初の浪曲化が実現するのである。
初演は2025年7月12日、小田原三の丸ホール(神奈川県小田原市)、続いて8月9日、北とぴあペガサスホール(東京都北区)での公演が予定されている。最初が小田原なのは、夢枕獏の出身地だからである。あえて作者のお膝元で披露目に挑戦することになった。『陰陽師』という原作の持つ妖艶な美、そして晴明と博雅ら、キャラクターの魅力をどう表現するか、お聴きいただければと思う。こちらも2025年5月9日現在、ネット上でチケットが販売中である。下記のチケット予約サイト(Peatix)へのリンクからどうぞ。
冒頭の写真は、このチラシ制作のためのものであった。メールに添付して送られてきたときには、「何が起きているのか!?」と唖然としましたよ、すみれさん。

▼7/12(土)『浪曲 陰陽師 琵琶玄象 小田原公演』(Peatix)
▼8/9(土)『浪曲 陰陽師 琵琶玄象 東京公演』(Peatix)
(毎月9日頃、掲載予定)