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小じかの一歩目 (後編)

鈴々舎馬風一門 入門物語

小さな一歩の物語

 ここまで入門して名前をいただくまでを振り返ってみたが、文字に起こしてみても、やはり大した事件などはない。これを読んで面白いと思ってくれる人はいるのだろうかと、心配するばかりである。しかし、ここまで書いてしまったからには、このまま書ききるしかない。

 今、落語協会はコロナ禍の影響などにより、前座の人数は徐々に減っていっている。私も入門をした時期はコロナ禍の真っ只中だった。そんな時期だったが、自分の中の「落語家になりたい」という気持ちに素直に向き合い続けた結果が今の「小じか」である。

 弟子入りに限らず、人間なにかを始める時は皆、志願者だ。一歩踏み出すことで、変わる世界があると思う。これを読んだことで、そんな人の勇気ある一歩の手助けができれば幸いだ。

 この文章の意味を何とか見出したところで、この文章を終わらせたいと思う。お後がよろしいようで。

(了)