小さな演芸場、大きな縁 ~シン・道楽亭、再始動の一年

月刊「シン・道楽亭コラム」 第3回

少しずつ前へ

 おかげさまで、シン・道楽亭はたくさんのご常連のお客様に支えられています。ただ申し訳ないことに、私はご常連のお客様のお顔を覚えきれていません。そのため、なんとか失礼にならないような接客をまず心がけています。

 また、ドリンクを作るのに手間取ったり、生ビールの注文にはグラスにうまく注ぐ自信がないので、ついつい他の人にお願いしたりしてしまい、至らぬ点もたくさんあります。さらに、アナログ人間の私は、共同席亭同士の連絡の取り合い方、データ入力や保存では普段の仕事では使わないツールばかりで、戸惑うことがしばしばあります。

 このように頼りなく、ほかの共同席亭におんぶに抱っこの状態ですが、自分がお客として楽しんだ、橋本さんが作ってきた道楽亭の雰囲気を残しつつ、シン・道楽亭としてのカラーを少しずつでもお客様に感じ取っていただきたいと思って奮闘しています。

 そして、演芸を楽しんでいただくのはもちろんですが、道楽亭から受け継がれた、シン・道楽亭の特色の一つが公演後の打ち上げです。打ち上げで、芸人さんたちの高座とは違う一面を垣間見られるのも新鮮な驚きと喜びです。ぜひ参加いただけたら嬉しいです。

 ちなみに努力の甲斐あってか、最近では最低限のことは何とかこなせるようになったのでは……と自分では思っています。