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日本とスウェーデンの笑いの違い
三遊亭好青年の「スウェーデン人落語家の不思議な旅」 第2回
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落語を世界へ
スウェーデンのお笑い
日本で落語家という商売をやらせていただいております。落語というのは、日本の伝統芸能の一つに入りますが、お笑いに分類されることもあります。
お客様から「スウェーデンでは、落語に似たようなものはありますか?」とよく聞かれることがありますが、ぴったり似たようなものというのはないですね。そうでなければ、わざわざ遠い日本に行かなくても出来るはずです。
でも、たまには逆に「スウェーデンでもお笑いがありますか?」と聞かれることがあります。なるほど、お笑いは他の国にはないという印象でしょうか。それともスウェーデン人は、何となく固くて笑わないように見えるということでしょうかな。複雑な気持ちですね(笑)。
スウェーデンにもお笑いというものはあります。現在ですと、スタンドアップコメディーもありますし、コメディー映画等もあります。少し前、私の両親の世代だと、コメディー、お笑いと言うと、コメディーグループというイメージです。5~6人でコントのような形で笑いを取ります。それよりも前の時代ですと、バーのショー等で、コミカルな歌詞で歌を披露するというのが流行っていたそうです。 スウェーデンのお笑いは、二つのタイプに分けられるのではないかと思います。
皮肉たっぷりの政治ネタや時事ネタ、ブラックジョークも何でもあり!というような内容か、あるいは、とてつもなくシュールなものです。もちろん、両方の要素が合わさっているものもあります。また、スウェーデンのお笑いのイメージは、なにより、何でもありという感じです。結構センシティブな話題のものも取り上げられるのですが、それでも笑わせるというのが、腕の見せ所らしいです。
一方で、いまの日本のお笑い、特にテレビ等では、様々な点に配慮し、とにかく、誰も怒らせないようにしなければならないという印象があります。
もちろん、人を怒らせるのはどうかと思いますが、せっかくのお笑いなのにあまりにも制限が多すぎると、笑いの幅も狭まり少しもったいないという気もします。
