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日本とスウェーデンの笑いの違い

三遊亭好青年の「スウェーデン人落語家の不思議な旅」 第2回

落語を世界へ

 では、落語の場合は、海外の人の目にどのように映るのでしょうか。

 私は、自分の師匠や他の真打の方々に稽古をつけていただき、苦労して覚えた古典落語の噺を、自分で日本語から英語、スウェーデン語に翻訳をし、ヨーロッパを中心に、母国スウェーデンやフランス、イギリス、ドイツ等、海外で披露しております。やはり海外では、落語を知っている人はまだとても少ないですが、皆、興味津々で聞いてくださいます。

 特に、ヨーロッパは芸術に対する興味、関心が大変高く、幅広い年代の方が落語を知らなくても、ポスターの写真を見て、美しい着物を着て披露する日本の芸術として、まずは興味をもち、会場へと足を運び、初めて見る落語を楽しまれています。

 それでは、落語をどうやって海外で説明しますか?

 よく「日本のお笑い」というふうに紹介する方もいらっしゃるようですが、私は、お笑いというより一人芝居という要素が強いため、海外で紹介する時には「日本の伝統的なコミカルな一人芝居」という説明をします。ちょっと長いでしょうか。しかし、落語を知らない、見たこともない海外の人にとっては、イメージがつきやすいかと思います。

いざ、会場へ

 海外で落語を披露する時には、まず最初は、落語についての説明、小道具、江戸時代などの時代設定や背景も軽く説明します。海外のお客様も、素直に想像され、熱心に聞いてくださります。色々と好評をいただきますが、よく言われるのは「面白かったが、想像したものとは違った」という感想です。なるほどなと思います。