自己紹介 ①
三遊亭朝橘の「朝橘目線」 第3回
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なるほどだから落語家に!というわけではなく
食事で思い出すのは、幼稚園でのお泊り保育。いつもは通うだけの幼稚園に、一泊するイベントの時のことです。
夕食はカレーでした。保護者の有志の方々が作ったのだと思います。一口食べて「違う!」と思ったのをよく覚えております。美味い、不味いではなく「違う」。カレーを通じて、私は多様性を学びました。
肝心のお泊りは枕が変わって全然寝付けず、コチコチと鳴り響く時計の音や、いつもと違う暗い教室の雰囲気にひたすら怯えていました。自宅以外だと寝付けないのは未だに変わりません。
先日も仕事で外泊しましたが、夜が明けるまで、ゆるーいBGMと共に海外の映像が流れる謎の深夜番組を見ながら、ビールをちびちび飲み続けておりました。
この頃の出来事でほかに思い出せるのは、自宅の向かいにあったアパートの外階段で遊んでいて足を踏み外し、二階から地面までゴロゴロ転がり落ちたこと。
自宅前で自転車に乗っていて派手に転倒し、これなら骨折した方がマシだったと医者に言われるひどい打撲を負ったことと、翌日包帯ぐるぐる巻きの腕で登園した私を見た級友から謎の歓声が上がり、突如ヒーロー気分になったこと。そんなところです。
未就学児の段階で既に厄介者ですね。「そんな私だからこそ、落語家という生き方を選んだのだと思います」みたいな陳腐な結論を見出す気はさらさらありません。これは、あくまで自己紹介。
ですが、今までしてきた、どの自己紹介より丁寧かつ詳細なものです。備忘録もかねて、また続きを書かせていただけると幸甚です。
拙い連載ではございますが、引き続きお付き合いのほど、伏してお願い申し上げます。
(毎月8日頃、掲載予定)