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日本とスウェーデンの笑いの違い

三遊亭好青年の「スウェーデン人落語家の不思議な旅」 第2回

言語によって変わる落語

 イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデンで落語を披露すると、それぞれの国によって、やはり多少、笑いの受け方や感覚は異なりました。イギリス人は、とにかくよく笑い、ドイツ人は、分析しながら楽しんでいるような印象です。フランス人も、よく笑いますが、とにかく一生懸命、熱心に聞き入っているという感じがします。こんなに集中して聞いてくださるというのは、日本でもあまりないです。一番日本に近い感覚は、やはり母国スウェーデンです。

 楽しんでもらえるか、笑ってもらえるかというのは、落語をどう披露するかだけでなく、もちろん、どう翻訳するかにもかかっています。ただ翻訳すればいいという訳ではなく、面白くなくてはいけません。そして、出来る限り江戸弁までとは出来ませんが、江戸落語の江戸ならではの雰囲気を、何とかして英語でもスウェーデン語でも残せるよう、工夫しながら翻訳をしています。この伝統を、ここで裏切りたくはないですから。

 翻訳の際には、言葉遊びが一番翻訳しにくいものですが、落語のオチの方は、とにかく言葉遊びが多いものです。翻訳したいのになかなか良い訳がつけられない演目は、沢山あります。

 この伝統に恥をかかせないよう翻訳をし、海外に、江戸時代から400年続く日本の伝統芸能「落語」を、発信し続けたいと思います。皆様も、機会がある際には海外だけでなく、国内でも英語落語を披露しておりますので、私の英語の落語、是非とも一度聞いてみてください。

スウェーデンでの落語会の様子

(毎月25日頃、掲載予定)