NEW

メタバースと落語

「古今亭佑輔とメタバースの世界」 第1回

観客との出会いが拓く可能性

 自分の目的はあくまで、普段落語に馴染みのない層のお客様に、VRでの擬似体験を通して落語の楽しさを新たに発見してもらうこと。そして、寄席に足を運んでみたいと思ってもらうことだ。

 VR機器の技術進歩に頼らざるを得ないところもあるし、まだまだ課題は多い。しかし、勇気を出してVR落語を始めてみて、本当に良かった。

 VRユーザーの年齢層は、20代から40代が非常に多い。自分のVR落語のお客様も年下が多いことがわかっているし、事実、そんな彼らが都内の寄席、ホール落語などに通うようになってくれた実績もある。VRの世界を「分からないもの」と決めつけず、今後のコラムも読んでくれたら幸いだ。

 連載の第1回目は、メタバースのこと、課題感、なぜ自分がVRで落語を始めるようになったかを書かせていただいた。そして最後に、自分のVR落語を観たお客様が落語の世界に足を踏み入れ、その素晴らしい芸能の価値を見出してくれたら、この上ない幸せである。

終演後、お客様と一緒に記念撮影
(中央やや左が筆者のアバター)

(毎月5日頃、掲載予定)