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暑いので!
シリーズ「思い出の味」 第9回
- 落語

今も思い出す、懐かしい料理の味と、かけがえのない時間の記憶
夏の天どんは涼しめに
お初でございます。三遊亭天どんです。
あー、暑いですね!!! 夏だから暑いんですか、そうですか。
なにしろ思い出の味ということで、初めてですから涼しげにトコロテンや寒天の話にて。名前が天どんだけどね! 夏の天丼もいいけどね!
三十路、それは腰の後ろにお肉がつき始めるお年頃です。「ほー、コレこそ大人だ!」とムリに抵抗せずに過ごしておりましたが、その頃は二ツ目で今よりヒマな時、今よりずっとお金がない。
困った時やお金がない時に一番はじめに削られるのが演芸費!ですが、食費も割と早めの対象になりますよね?
「なんとかならないかなあ」と思いつつも、大して何もしないのが芸人です(人によります)。そんな時、近所のスーパーで見かけたのが、大きめのパックに二人前が入っているトコロテンと寒天。
「100円、安い!?」
その時、ワタクシの中の三十路が話しかけてきたのです。『おい、お前も三十半ばだろ。体にいいぞ、安いぞ!』。
さらに、高校の時の理科の先生が脳裏に浮かびます。『おー、寒天には栄養がないからな。理論上、コレだけ食べてれば太らないんだ! ないんだ、ないんだ、ないんだ~』。先生の話は聞いておくもんだね。
とりあえず1つずつ買って食べてみる。よしよし、いける!
いや、ゼリーとかなんかグニャグチャしたのが好きなので元々、いける! なにしろ昔、スイカをくり抜いてゼリーにして切ってみた、おアニイさんだ!