帽子
三遊亭好二郎の「座布団の片隅から」 第3回
- 落語

通販で見つけた、サンバイザーみたいな超かっこいいキャップ!!!
落語がスベるのは、夏のせい
夏だ。暑い。
四季の中で夏がなくなれば、どんなに快適だろうか。こんなに暑いと、演者もお客様も落語に集中できない。だからこの時期、落語がウケなかったとしても、それは噺家のせいではない。夏のせいである。ちなみに春もウケない。花粉症のせいである。
私は普段から着物で移動しているが、この炎天下での着物移動はハードだ。汗が止まらない。照り付ける太陽……クーラーの効かない満員電車……自然と顔が暗くなる。髪の毛をビッチリと七三分けにした私が、炎天下で険しい顔をして浴衣で歩いていると、反社の若い衆っぽく見えてしまうらしい。
「メガネとか帽子を被って、マイルドにしたら?」と楽屋でアドバイスをいただき、去年の夏、着物に似合うカンカン帽を買ってみた。鬼麦でできていて叩くとカンカン音が鳴り、気持ちが良い。強烈な日差しから頭を守ってくれる。何よりオシャレだ。
レトロな形の丸メガネも一緒にかけてみたが、「月亭可朝師匠のコスプレみてぇだ」「明治からタイムスリップしてきたのか」と不評だったので、カンカン帽を被る時にメガネはかけていない。
今では夏になるとカンカン帽をほぼ毎日被っている私だが、帽子にはトラウマがあり、大人になってもしばらくの間、被るのを恐れていた時期がある。

鬼麦のカンカン帽