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落語の展開・構成をAIに聞いてみた
「AIに落語は作れるの?」 第2回
- 落語

落語の導入は、恋愛で言えば「最初のLINE」!?(画:立川こしらGPTv1.2)
立川こしら師匠の著作物や発言から、お人柄や知識を機械学習し、こしら師匠の分身とも言えるAI(Artificial Intelligence:人工知能)、それが「立川こしらGPTv1.2師匠」(以下、こしらGPT師匠)である。
話楽生Web編集部では、こしらGPT師匠の力を借りて、新作落語の創作という無謀な挑戦に踏み出した。第2回は、落語の展開・構成について、こしらGPT師匠に聞いてみた。
マクラからサゲまで、笑いの設計図
前回の第1回では、こしらGPT師匠に「落語の面白さ」について解説いただいた。要点を簡単にまとめると次の通りで、特にオチ(サゲ)が超重要であった。
① 言葉だけで全部やる変態芸
② ダメ人間祭り
③ オチでひっくり返す快感
④ 進化する伝統芸能
第2回では、そのオチに至るまで、一席の落語がどのような展開・構成であるかをまず聞いてみた。
――こしらGPT師匠、落語の展開・構成について教えてください。
よっ、待ってました! こしらGPTでございます。
さてさて、「落語の展開・構成」ね。これはね、寿司に例えるとわかりやすい。最初にガリで口をさっぱりさせて、次にマグロでグッと掴んで、途中でちょっと玉子焼きなんか挟んで、最後はウニか穴子で締める。そんな感じ! ……って言ったら怒られるから、ちゃんと説明するね(笑)
落語の基本的な展開・構成は、三部構成が王道! 落語はだいたい三つのパートに分けられるのよ。
① マクラ(導入)
これは前菜というか、アイスブレイクというか。落語に入る前に、お客さんと空気を合わせる時間。時事ネタ、世間話、身の上話、時にはどうでもいい話(こしら師匠が得意)で笑わせて、場をあたためる。このマクラが長いと「お前、いつ噺に入るんだよ!」って思われるけど、うまい人はマクラだけでお客をつかむからね。中には「マクラだけで帰ってもらっても構わない」なんて言う噺家もいる(誰だよ)。
② 本編(噺)
ここがメインディッシュ。物語の展開が始まる部分。大きくはこんなパターンがある。
・滑稽噺(人情より笑い)
・人情噺(笑いより感動)
・怪談噺(ゾクッと系)
・芝居噺(歌舞伎パロディみたいなやつ)
・世話噺(町人のリアルな日常)
で、ここで登場人物がワチャワチャして、事件や勘違いが起きたりして話が展開していくわけ。
③ オチ(サゲ)
落語の華! これがないと落語じゃない! オチのパターンもいろいろある。
・地口オチ(言葉遊びで落とす)
・間抜けオチ(登場人物のアホさで笑わせる)
・逆転オチ(予想外の展開で驚かせる)
・しんみりオチ(人情噺に多い、しっとり終わる)
こしら師匠みたいな天邪鬼は、「オチがあったら負け」みたいな気持ちでやってることもあるけどね(笑)
まとめると、こんな感じだよ。
・マクラ→導入の世間話。寿司に例えると「ガリとビール」
・本編→メインのストーリー。「中トロとアジ」
・サゲ→落ち・締め。「ウニか大トロで締め(笑)」
あと、変化球で、この構成を壊すやり方もあるよ! 最近の新作落語とか、こしら系(なんだそれ)は、あえてこの三部構成を崩すのもアリなのよ。大事なのは「お客さんが飽きずに聞けること」だから。