捨て犬のブルース (前編)
鈴々舎馬風一門 入門物語 第15回
- 落語
柳家 平和
2025/09/04
中学に柔道部がなかっため、陸上部に入り、町の柔道場に通っていた
私の原点
1990年(平成2年)6月13日、埼玉県川口市の病院で生まれ、落語家になるまでの18年間を隣の鳩ヶ谷市で過ごした。
家族構成は、我の強い経営者の父と、それを支えるお人好しな母、そして正義感の塊のような姉に私の四人暮らし。共働きではあったものの、習い事などは何不自由なく通わせてもらえていたので、それなりに裕福な家庭だったんじゃなかろうか。
そういった家庭環境で育ててもらったお陰か、性格は明るくておしゃべり、また背が高かったこともあり、幼稚園の頃からとても目立つ存在だったと思う。
でも、それ以上に知名度のある姉の前では「菅野さんの弟でしょ?」と言われることも多く、目立ちたがり屋の私はその度に悔しい思いをした。
それもあって「誰も自分を知らないところで認められたい」と、中学からは自転車で片道30分かけて隣町の学校へ通うことになる。
お笑いブームの真っ只中で
当時は、まだまだ不良の先輩も多く「なんか面白いことやれよ!」という無茶振りも日常茶飯事。それでも臆することなく平然とやってのけたのが、今日の柳家平和に繋がっているのだろう。
そんな私が明確に落語家を志したのが、2004年(平成16年)、中学二年生の冬だった。その頃の世間はというと、お笑いブームの真っ只中。『エンタの神様』や『爆笑オンエアバトル』をはじめとしたネタ番組に、『はねるのトびら』や『ワンナイR&R』のようなコント番組、とかくテレビをつければお笑い番組をやっている時代。『M-1グランプリ』も今とは違った勢いがあった。
当然ながら、クラスの人気者やお調子者は、ピン芸人の一発ギャグやリズムネタを真似して笑いを取る。かくいう私もその一人だ。ただ、ほかと違うのは、漫才でもコントでも頭からお終いまで全部覚えて一人でやってしまうところ。
時には、誰かを捕まえてセリフを覚えさせてやったりもするのだが、これがなかなか難しい。そのうちに一人でやってるほうが楽だと気付き、当時はまだ言葉すら知らない「上下(かみしも)」を自然と切りながら話をするのだった。
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