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落語愛を、次世代へ ~あの日の感動を、息子も知った

月刊「シン・道楽亭コラム」 第5回

落語愛を、次世代へ ~あの日の感動を、息子も知った

寄席の帰り道、思い出の味は落語の香り (画:とつかりょうこ)

シン・道楽亭

執筆者

シン・道楽亭

執筆者プロフィール

21歳の息子が落語にハマったワケ

 共同席亭が持ち回りで担当する「シン・道楽亭コラム」。早くも2周目となりました。初回を担当したUです。あっという間ですね。

 突然ですが、息子(21)が落語にハマりました。私が落語好きだったため、小さい頃から寄席に連れて行ったり、自宅で音源を流していたり、落語絵本を読み聞かせたりしてきたので、落語との距離は近い幼少期だったと思います。

 しかし、大きくなるにつれてクラブ活動や学校に忙しくなり、親と一緒に落語に行くよりは、友だちと遊ぶほうが楽しくなり、10年ほど学校寄席以外で落語を聞くことはほぼなかったと思います。

 それが突然の激ハマり。キッカケは、シン・道楽亭で笑福亭べ瓶師匠の会に参加したこと。今年のお正月にエスニック料理が打ち上げで食べられる会を企画し、そこに料理目当てでバイト代を握りしめてやってきた息子は、まず圧倒的な熱量のマクラに爆笑。そしてトリネタでかかった『妾馬(めかうま)』に感動。感情を揺さぶられ、気づいたら涙が出てきて、トドメを刺されたとのこと。

 彼は10歳の頃、浅草演芸ホールでトリを務めた柳家さん喬師匠がかけた『妾馬』も聞いていました。その時はゲラゲラ笑っていましたが、同じネタでも演者によって違いがあり、笑いながらも泣けるのが落語だと、小さい頃に聞いていた(母親に聞かされていた)落語の記憶もよみがえったようです。

 そんな息子を見ていて、「これは私が落語にハマった時と同じだ」と思いました。

 というわけで、今回は自分が落語にハマった時のことを思い出して書いてみます(古い話なので、事実誤認があったら申し訳ありません。お詫びしておきます)。