席亭への道 ~服部、落語に沼る人生
月刊「シン・道楽亭コラム」 第2回
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#6 気がつけば共同席亭 ~笑いと感動で人とつながる
落語界に足を運べば、「あ、またあの人だ」という方々に会う。知り合いのような気になる。気になれば、声を掛け合うこともある。気が合えば、演芸友達、落語友達だ。テレビやネットの落語から、ナマの落語へ。ネット上の友から、リアルな友へ。
その中のおひとりに、
「シン・道楽亭の共同席亭、やってみませんか?」
「……はい!」
気づけば、猪突猛進尻軽粗忽者の婆さん、何足目かの草鞋を履いていた。自分が生きてきた世界とは全然違う世界に、還暦過ぎて飛び込むたぁ、自分で言うのも何だが、いい根性してる。
前座修業さながらの日々で、ヘコむことも多い。けれども得ることもあまりにも多い。ベテランの佇まいに励まされ、若手の頑張りに未来を見る。噺から笑いと感動をもらい、人がつながる。
そんなこの頃だからこそ、20代の頃に言われたことが、改めて身に染みる。
「落語を聴いてごらんなさい、何かが変わるから。できればナマの落語よ」
私も今、まだ落語を聴いたことがない人に会うと、口癖のようにそう伝えている。
(以上、敬称略)
共同席亭・服部晶代
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(毎月10日頃、掲載予定)