やめたら負けが確定する!――博打好きのたわごと
月刊「シン・道楽亭コラム」 第8回
- 落語
- その他
シン・道楽亭
2025/12/10
画:とつかりょうこ
落語と博打の交差点
シン・道楽亭の共同席亭になって、気づけば1年半ほど。
Uです。ありがたいことに、落語に縁の薄かった学生時代の友人や、仕事関係の仲間も時々ふらりと来てくれます。「落語が聴けて、お酒も飲める小さな演芸場をやっているんだ」とごく簡単に説明すると、20代の若いお客さんが興味を示して来店してくれることもあります。
一方で、しばらくご無沙汰していた人が、ふと現れることもあります。予約リストを見て気づく日もあれば、店頭で突然再会することも。先日も受付ではまったく気づかなかったのに、会場で聞こえてきた声に“記憶”の方が先に反応したことがありました。「……あれ!? サンケイスポーツの鈴木学さん!?」と思わず声をかけてしまいました。
「私、内外タイムスのUです。覚えてますよね?」
見た目はお互いにすっかり変わっていましたが、声のトーンや口調はまったく変わらない。新卒で入社し、今はなき内外タイムスの競馬記者として現場に入ったとき、そこにいたのが鈴木さん。同じ会社の同僚より、他社の競馬記者と過ごす時間の方が長い世界で、新人だった私はサンスポなど他社の先輩たちにだいぶかわいがってもらいました。懐かしいなあ。
そこで今回は、当時の記憶を呼び起こしつつ、落語と同様にずっと「好きなもの」である博打、特に公営競技について書いてみます。
新卒で競馬記者になった理由
なぜ私が新卒で競馬記者になったかと言うと、シンプルにギャンブルが好きだったから。学生時代、「ダービースタリオン」などの競馬ゲームが大流行し、それにどっぷりハマった私はゲームだけでは飽き足らず、競馬場にも足を運んでいた(当時、学生は馬券を買ってはいけませんでした。現在は、2005年の法改正で学生でも20歳以上であれば馬券を購入できるようになっています)。
大学と府中競馬場が近かったという幸運(不運?)もあって、競馬にのめり込むうちに、好きが高じて競馬記者になれそうな新聞社に入り、目論見どおりにレース部(公営競技を担当する部署)に配属になって、めでたく現場記者に。
競馬記者時代は、火曜に美浦や栗東にあるトレセンに行き、水曜と木曜の調教を取材して帰社する、というのが通常だった。2泊するのは、記者専用の寮。よって、毎晩のように先輩方と一緒に飲むことは必然だったが、先輩がお金を出すという演芸界と同様の風習で、自分でお金を払ったことはほぼなかったと記憶している。レースがある土日も、終わった後には競馬場近辺によく飲みに連れて行ってもらった。
夏のローカル開催の北海道や新潟、GⅠシーズンの関西では長期滞在。何もなければ、休日も記者仲間と一緒に遊ぶことになる。札幌滞在では、鈴木さんも含めた数人でばんえい競馬に繰り出し、誰も当たらずに文句だけ言って帰って来たことも(笑)。ローカル開催の場合は、競馬場で調教をするので、平日も競馬場に詰めて仕事をするのだが、平日の中央競馬の競馬場は地方競馬の場外馬券場も兼ねている。
おかげで、1週間ぶっ通しで好きなときに誰にも文句を言われず馬券が買える、という博打好きにはたまらない環境で仕事をしていた。
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