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〈書評〉 未来の大看板がここにいる いま、若手の落語家・講談師・浪曲師が面白い (宮信明 著 / 橘蓮二 写真)
「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第13回
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杉江 松恋
2026/05/21
「未来の大看板」を探す楽しみ
あ、こんなにたくさん入っているのか。
というのが宮信明・文 / 橘蓮二・写真の『未来の大看板がここにいる いま、若手の落語家・講談師・浪曲師が面白い』(四六社)を手に取って最初に思ったことだった。
東西合わせて76人、いる。落語家は落語協会、落語芸術協会、落語立川流、五代目円楽一門会、上方落語家の順、そのあとに東西の講談師、同じく浪曲師、と並ぶ。関東の芸人は二ツ目まで、関西は年季明け以降ということだろう。
2025(令和7)年に入門15年を迎えた浪曲師の真山隼人は、弟子を取ることを許される年季になったので、厳密に言えば関東落語の真打格である。キャリアでいちばん古いのはその真山隼人かと思ったら2010(平成22)年5月入門なので、2010年4月入門の立川志の太郎の方が古かった。立川志の輔門下である。そうか、志の太郎はもうそんなになるのか。演者紹介を見ると、そういうことがわかって楽しい。
あとがきによれば本書の発起人は橘蓮二の方だったという。橘が「若手の芸人さんたちを応援する本を作りたいから、宮くんも協力してくれない」と誘ったことで企画が成立した。
宮信明は1981(昭和56)年生まれで、立教大学大学院文学研究科博士後期課程修了、早稲田大学演劇博物館を経て、現在は京都芸術大学准教授、2024(令和6)年10月からはTBS「落語研究会」の解説も担当している。先行書とこの本がやや異なるのは、宮がいわゆる聴き巧者の落語ファンではなく、本質的に研究者であることだ。専攻は幕末から明治にかけての芸能及び文化で、本書で採り上げた若手芸人について書くことは普段ないという。
執筆のため、京都から東京に来て、芸人1人あたり最低2回は生の高座を聴こうと考えて実践したというから、相当準備に時間がかかったのではないかと思う。
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