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〈書評〉 未来の大看板がここにいる いま、若手の落語家・講談師・浪曲師が面白い (宮信明 著 / 橘蓮二 写真)

「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第13回

小さくまとまる落語への警鐘

 同種の本では、広瀬和生『この落語家を聴け!』(現・集英社文庫)が2008(平成20)年に出たときのことを覚えている。多くの人に読まれ、文庫にもなって手引きとして大いに活用された。同じくらい息の長い本になるのではないか。おもしろい本なので、演芸場に行く暇がない人はこれを読むだけでも楽しめる。

 文章をじっくり読んでいて「今の東京の落語家」についての印象を綴った箇所が気になった。「本当に若手だろうか」と驚かされるほど達者だが、反面「落ち着いた高座が多く、熱量がやや低いこと、そして噺の世界が思いのほか小さくまとまっていること」を指摘している。複数回これに類する記述があるので、宮の中でずっと引っかかっていることなのだろうと思う。

 この記述がある項の春風亭昇輔はもちろん、そうした「まとまっている」落語家の例外として挙げられているわけである。

 こういうちょっとした発見は後に重要性がわかることも多い。もしかすると10年後に起きる何かの予兆かもしれないのである。「小さくまとまっている」問題は自分の課題として気を付けていこうと思った。

(以上、敬称略)

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  • 書名 : 未来の大看板がここにいる
  • 副題 : いま、若手の落語家・講談師・浪曲師が面白い
  • 著者 : 宮信明/橘蓮二
  • 出版社 : 四六社
  • 書店発売日 : 2026年4月24日
  • ISBN :9784911482018
  • 判型・ページ数 : 四六判・200ページ
  • 定価 : 3,000円(本体2,727円+税)
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  • 書名 : この落語家を聴け!
  • 著者 : 広瀬和生
  • 出版社 : 集英社(集英社文庫)
  • 書店発売日 : 2010年10月
  • ISBN : 9784087466256
  • 判型・ページ数 :文庫判・368ページ
  • 定価 : 803円 (本体730円+税)

(毎月19日頃、配信予定)

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