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5月11日は、ご当地スーパーの日 →土地の味を追い求める男の浪漫

「エッセイ的な何か」 第12回

5月11日は、ご当地スーパーの日 →土地の味を追い求める男の浪漫

ご当地スーパーを巡る旅は、予期せぬことの連続だ(画:三笑亭夢丸)

三笑亭 夢丸

執筆者

三笑亭 夢丸

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 噺家というのは、比較的旅の多い仕事だと思う。

 そして仕事が終わった後の噺家には2パターンあり、電車一本でも早く家に帰りたがる人と、せっかく来たんだからゆっくりしていきたい人に分かれる。

 僕は、間違いなく後者。なんだったら、せっかく日帰りの行程を組んでもらったのに、自費で宿を取って一泊したりする。そしてその場合、あれこれ観光地を回るのもよいが、街を散策したり、地元のスーパーを見たりするのが好きだ。

 それも全国展開しているような大手スーパーではなく、ほかの地域では聞いたこともないような土着的なネーミングの店舗が良い。カップラーメンや牛乳、納豆やお菓子などなど、まったく見たこともないようなブランドが幅をきかせて陳列してあったりして楽しい。

 でも、なんと言っても見逃せないのは、惣菜と鮮魚コーナー。以前、沖縄のスーパーの惣菜コーナーで購入し、小雨降りしきる川沿いの公園でオリオンビールと一緒に食べた「麩の炒め物」の味は、忘れられぬ旨さだった。もう一度食べたいが、そのためだけに沖縄は遠いなぁ。やはりご当地スーパーは一期一会である。

 また、五島列島に午後から始まる小学校の仕事で行った時は、先に地元のスーパーに寄り、昼食を買って会場入りするという流れだった。

 メンバーが思い思いに店内を物色するのだが、お刺身コーナーを見たところ、なんと高級魚のクエが無造作に並べられていた。しかも値段は確か300円前後。東京で食べたら10倍してしまうのではないか。……食べたことないから知らないけど。

 このチャンスを逃すまいと、クエの刺身を購入。小学校にクエの刺身を持ち込んで昼飯にした奴は、なかなかいなかろう。ワンカップでもあれば、言うことなしだったが(もちろんそれは持ち込んでおりません)。