6月26日は、露天風呂の日 →背中側だけ半身浴する友人を見た男の決意
「エッセイ的な何か」 第13回
- 落語
三笑亭 夢丸
2026/06/24
湯けむりの向こうに、信じられない光景があった(画:三笑亭夢丸)
よくプロフィールの項目に、「趣味」という欄がある。個人的には、銭湯を巡るのが一番の趣味かもしれない。
基本的に地方で仕事などがない限りは、都内の銭湯を巡るわけだが、一口に言っても多種多様。ほぼスーパー銭湯に近いものから、古風なものまで。まあ、いわゆる一般的なイメージの銭湯は、正面にドーンと富士山。その下に浴槽……という感じではなかろうか。
もちろんそういったスタンダードな造りの浴場もいまだに多いのだが、露天風呂がある銭湯も少なくない。
中には、大規模な改修工事を行い、相当気合の入った露天風呂を有する……という場所もあるが、そのほとんどが上記の昔ながらの設計に、無理やり取ってつけたようなスペースをこしらえて、どうにかこうにか露天風呂的な浴槽を増築するという、涙ぐましいものである。
「すいませんね、もうこれが精一杯なんです。……でもホラ、空見えるでしょ? ね?」
というような遠慮深げな佇まいである。しかし、この狭小な露天風呂からチラチラと都会の空を覗くのが好きなのだ。日常に紛れ込んでいる非日常、という風情で。
湯に浸かりながら、これでいいんだよ、こういうので……などと思っているのだが、稀に、もう本寸法の温泉宿の広大な露天風呂なんか入った日には、そのポテンシャルの差を思い知らされる。
まあ、そんな豪奢な露天風呂に毎日入っていたら、逆にダメになっちゃうだろうけど。
そういった自然豊かな露天風呂は、景観が美しい代わりに基本的に何かが浮いている。木の葉とか、虫とか。そして大体、その浮遊物について書かれた注意書きと、それをすくうための網が設置されている。
それがどういうわけか、いずれもやたらファンシーな文体なのだ。
『とても良いお湯なので、ときどき葉っぱさんや虫さんが温泉に入りに来ることがあります。そんな時はやさしくこの網ですくってくださいね。』
……と、おおかたこんな感じなのである。
不思議なことに、全国各地の露天風呂で、どういうわけか似たような文面。まあ、まさかストレートに「落ち葉と虫の死骸がプカプカ浮いていることがあるので、勝手にすくってください。気にすんな!」とは書けまい。
いま読まれています!
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