自分らしく、まっすぐに 神田菫花(前編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第15回
- 講談
瀧口 雅仁
2025/10/28
神田菫花 近影(講談協会HPより)
一時期、絶滅危惧種とまで言われるも、現在、東西合わせて120名を超えるまでになった講釈師。江戸から明治、大正、昭和と、主に男性が読み継いできた芸であったが、平成、令和と時代を経て、女性目線による女性の講談が世に送り出されてきた。その時、講釈師は何を考え、何を読んできたのか。第一線で活躍する女性講釈師に尋ねてみた。(神田菫花先生の前編/中編/後編のうちの前編)
子どもの頃の思い出から始まる干瓢愛
芸を語る上で「本寸法(ほんすんぽう)」という言葉が使われることがある。辞書に意味を求めると「本来の状態、あるべき姿」とある他、「型を崩していない、正統派である」とある。個性あふれる講釈師が集まる、現在の講談界の中で、聴いていて安心でき、この先の講談の指針となるべき女性講釈師が神田菫花(かんだすみか)だ。先人から受け継いだ話を大切にし、連続物にも果敢に挑む。それでいてユニークな視線を持ち、話に入るためのマクラも楽しい。そして高座を離れれば、干瓢(かんぴょう)を愛し、自家栽培までしている。そこでまずは講談の話ではなく、干瓢のあれこれを尋ねてみた。
―― いきなりですが、菫花さんと言えば「干瓢(かんぴょう)」が思い浮かびます。そこで干瓢との出会いについて教えてください。
菫花 子供の頃、母がよくお昼を買ってきたんです。和菓子屋さんの店頭でお赤飯とかを売っている店があるじゃないですか。ウィンドウの中が茶色のラインナップで、梅じそにゴボウ巻にかんぴょう巻と、色が似ている中で、かんぴょう巻が断然好きだったのですが、当時はそれを“かんぴょう巻”と呼ぶのを知らず、どうか選んでくれますようにと願っていたら、ちゃんと買ってくれていました。何でわかったんだろうって(笑)。母親って凄いなと思いました。
それからの付き合いで、真打披露のパーティの時に、結局、コロナでパーティは開けなかったんですが、先生やご来賓の方にご挨拶をいただいたり、余興があったりする中で、何か飾り物をやりたいなと思って、私が大好きなもので、誰もやっていないことで何かないかと探していたら、「そうだ! 干瓢だ」と思って、探し当てたのが干瓢のスピーカーでした。
―― 干瓢でできたスピーカーですか。
菫花 ユウガオの実を大きく育てて、それを乾燥させると、外側がカチカチになるんです。それを加工したものをスピーカーにするんですが、音が出る部分がありますよね。一つの実にLRの両方の音の出る部分がついているのですが、それが目みたいで可愛いんです。それで会場内のBGMを流そうと考えたんです。
パーティとなると引き出物が必要ですが、干瓢のお菓子って賞味期限があって、適当なものがなかったので、それで楽しんでもらおうと。その時に干瓢の生産第1位の栃木県の下野市にお住まいの方と知り合いになって、色々とお世話になり、今もお付き合いさせていただいています。
いま読まれています!
「浪曲案内 連続読み」 第11回
浦安の風が吹いている
~かつて浦安にあった寄席と浪曲師の物語
東家 一太郎
2026/05/20
シリーズ「思い出の味」 第10回
松鶴、鶴光、羽光、羽太郎の四世代の飲食
~気をつかう師匠との食事
笑福亭 羽光
2025/08/04
シリーズ「思い出の味」 第11回
食べ物が詰まった、師匠桂三金の思い出と棺桶
~焼肉は落語
桂 笑金
2025/08/17
シリーズ「思い出の味」 第24回
母のカレーと鯨汁、時々“かきのもと”
~食べ物の記憶には、不思議と人の面影が宿る
春風亭 鯉づむ
2026/05/27
シリーズ「思い出の味」 第1回
21900のいただきます
~師匠との食卓
三遊亭 司
2025/05/13
「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第13回
〈書評〉 未来の大看板がここにいる いま、若手の落語家・講談師・浪曲師が面白い (宮信明 著 / 橘蓮二 写真)
~若手76人の魅力を研究者の視点と写真家の感性で活写した“読む寄席”
杉江 松恋
2026/05/21
「すずめのさえずり」 第十一回
宇宙の前座
~落語家が綴る、スターウォーズにおける師弟制度の妙なリアリティ
古今亭 志ん雀
2026/05/26
シリーズ「思い出の味」 第12回
真夏の甘美
~秋田のドリアンは、恋の味!
一龍斎 貞奈
2025/08/25
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第10回
ああ…麗しの吉本興業……
~吉本興業を辞める話なのに、なぜこんなに爆笑してしまうのか!?
桂 三四郎
2026/05/12
「令和らくご改造計画」
第十話 「オチログ」
~前座が作った落語家レビューアプリ「オチログ」を巡る狂騒。ブラックユーモア満載の笑撃作!
三遊亭 ごはんつぶ
2026/05/15
「浪曲案内 連続読み」 第11回
浦安の風が吹いている
~かつて浦安にあった寄席と浪曲師の物語
東家 一太郎
2026/05/20
「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第13回
〈書評〉 未来の大看板がここにいる いま、若手の落語家・講談師・浪曲師が面白い (宮信明 著 / 橘蓮二 写真)
~若手76人の魅力を研究者の視点と写真家の感性で活写した“読む寄席”
杉江 松恋
2026/05/21
シリーズ「思い出の味」 第10回
松鶴、鶴光、羽光、羽太郎の四世代の飲食
~気をつかう師匠との食事
笑福亭 羽光
2025/08/04
シリーズ「思い出の味」 第11回
食べ物が詰まった、師匠桂三金の思い出と棺桶
~焼肉は落語
桂 笑金
2025/08/17
「コソメキネマ」 第十三回
弟子になる
~フランキー堺演じる落語家が活躍する喜劇映画『羽織の大将』をご紹介!
港家 小そめ
2026/05/23
「エッセイ的な何か」 第12回
5月11日は、ご当地スーパーの日 →土地の味を追い求める男の旅情
~ご当地スーパーを巡る旅は予期せぬことの連続である
三笑亭 夢丸
2026/05/24
「マクラになるかも知れない話」 第十回
G.W.にご用心
~日常の些細なモヤモヤを、落語みたいなリズムで笑い飛ばしてくれる爽快エッセイ!?
三遊亭 萬都
2026/05/25
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第23回
日常を鮮やかに描く言葉の力 神田茜(後編)
~魅力と素顔に迫るインタビュー
瀧口 雅仁
2025/12/31
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第13回
芸人、変な人多い
~宇宙一の美人浪曲師が綴る、愛おしすぎる芸人日記
東家 千春
2026/05/03
「かけはしのしゅんのはなし」 第12回
5月5日は、自転車の日
~あの時、見えた新しい世界と、今知る父の気持ち
春風亭 かけ橋
2026/05/22
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第10回
ああ…麗しの吉本興業……
~吉本興業を辞める話なのに、なぜこんなに爆笑してしまうのか!?
桂 三四郎
2026/05/12
「座布団の片隅から」 第13回
声優
~話題の人気アニメ『あかね噺』で声優デビューさせていただきました!
三遊亭 好二郎
2026/05/07
月刊「シン・道楽亭コラム」 第13回
シン・道楽亭、誕生前夜から今へと続くキャリー・ザット・ウェイト Part.3
~橋本さん亡き後に立ちはだかった超大型の壁
シン・道楽亭
2026/05/10
「浪曲案内 連続読み」 第11回
浦安の風が吹いている
~かつて浦安にあった寄席と浪曲師の物語
東家 一太郎
2026/05/20
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第13回
芸人、変な人多い
~宇宙一の美人浪曲師が綴る、愛おしすぎる芸人日記
東家 千春
2026/05/03
「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第13回
〈書評〉 未来の大看板がここにいる いま、若手の落語家・講談師・浪曲師が面白い (宮信明 著 / 橘蓮二 写真)
~若手76人の魅力を研究者の視点と写真家の感性で活写した“読む寄席”
杉江 松恋
2026/05/21
シリーズ「思い出の味」 第6回
茶色いうどん
~自分の未来を見つめる8歳の少年
三遊亭 ごはんつぶ
2025/06/25
シリーズ「思い出の味」 第11回
食べ物が詰まった、師匠桂三金の思い出と棺桶
~焼肉は落語
桂 笑金
2025/08/17
「令和らくご改造計画」
第十話 「オチログ」
~前座が作った落語家レビューアプリ「オチログ」を巡る狂騒。ブラックユーモア満載の笑撃作!
三遊亭 ごはんつぶ
2026/05/15
「くだらな観音菩薩」 第13回
願成就院の毘沙門天
~運慶が作った仏像に心が震えた、きく麿師匠。その一方で…
林家 きく麿
2026/05/16
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第10回
ああ…麗しの吉本興業……
~吉本興業を辞める話なのに、なぜこんなに爆笑してしまうのか!?
桂 三四郎
2026/05/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第5回
落語家の夢
~俺の目は、まだ濁っていない!!!
桂 三四郎
2025/11/27
「艶やかな不安の光沢」 第1回
謂れなきものたちの飛躍
~年始からとちってしまった芸人の胸のうち
林家 彦三
2026/02/12
「令和らくご改造計画」
第六話 「若手人気落語家殺人事件 【事件編】」
~古典派と新作派の溝!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/01/12
「令和らくご改造計画」
第四話 「初心者よ永遠なれ」
~AIが落語を演じる時、それでも人は笑えるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2025/11/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第6回
運と皆様のおかげです
~人間は弱い生き物です
桂 三四郎
2026/01/01
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
シリーズ「思い出の味」 第19回
雪のココア
~内弟子時代に憧れた甘い味
柳家 わさび
2026/01/13
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回
世間せまないか?
~落語家を多数輩出する片田舎、神戸の垂水
桂 三四郎
2026/02/01
編集部のオススメ
「ピン芸人・服部拓也のエンタメを抱きしめて」 第11回
談志師匠の最後の弟子! 立川談吉 改メ 立川談寛師匠真打昇進披露パーティー
~真打昇進披露パーティー体験リポート②
服部 拓也
2026/04/23
シリーズ「思い出の味」 第23回
カレーのような草枕
~自由でゆるくて、どこか芯がある。かつて新宿にあった名店の最後を描く、愛おしい物語
田辺 一記
2026/04/21
シリーズ「思い出の味」 第22回
亡き父の味と、鰻に導かれる名人の味
~人生と落語と鰻の不思議なご縁
三遊亭 あら馬
2026/04/20
「くだらな観音菩薩」 第12回
日光菩薩と月光菩薩
~怒りと笑いを行き来しながら、菩薩様のような優しさに辿り着くコラム
林家 きく麿
2026/04/16
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「令和らくご改造計画」
第九話 「地獄のモーニングコール」
~落語家は寝すぎ? 働かなすぎ? 前座が仕掛ける“狂気の作戦”とは!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/04/12
「講談最前線」 第16回
2026年4月の最前線 【前編】 (講談協会が一般社団法人として始動へ)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/04/11
月刊「シン・道楽亭コラム」 第12回
一粒の麦 ~世界に広がれ、落語の輪 in 名古屋!
~名古屋の演芸文化を支える多彩な人たちの静かな情熱とリアルな声を追ったコラム
シン・道楽亭
2026/04/10
「座布団の片隅から」 第12回
地獄
~春風亭㐂いち兄さん、柳家小はだ兄さん、三遊亭歌彦さんと僕でスキーに行ってきたのだが…
三遊亭 好二郎
2026/04/07
掲載記事300本記念
〈掲載記事300本記念〉 柳家さん喬師匠 スペシャルインタビュー【前編】
~小さん師匠の「おめでとう」から始まる新しい年
話楽生Web 編集部
2026/01/25