2026年6月の最前線 【後編】 (聴講記:名古屋・大須演芸場定席 / 講談『太閤記』小考③)
「講談最前線」 第22回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/06/16
東京から大須演芸場にやって来た田辺鶴遊
講談はいつも面白い。そして講談はいつも新しい――。講談の魅力って? 講談ってどこで聴けるの? どんな講釈師がどんな講談を読んでいるの?と、それにお応えするべく、注目したい講釈師や会の情報、そして聴講記……と、講談界の「今」を追い掛けていきます。〈2026年6月の【後編】〉。
聴講記:大須演芸場定席・第一部(2026年6月5日)
いきなり個人的な話になり恐縮だが、最初に刊行した自著は、2007年当時、名古屋で活動をしていた雷門小福師と、現在も鳥取を中心に高座に上がっている桂文吾(当時・桂小文吾)師へのインタビューを試みた『噺家根問』(彩流社)であった。
名古屋だけに話を絞れば、それ以前にも大須演芸場に足を運んではいたが、その頃の大須と言えば、お客の入らない寄席として有名で、2014年に資金繰りが悪化したことにより、建物明け渡しの強制執行がなされ、営業終了に追い込まれたことを覚えている人も多いかと思う。
ちなみに、若き日に大須に出演していた明石家さんまが楽屋に残した、「昭和50年8月中席16日」という日付入りで、「今日も客なし 明日は?」という落書きは、現在、演芸場のロビーに保存公開されている。
樋口芸能社、そして足立秀夫席亭時代を経た大須演芸場は、今年、演芸場としてオープンして61年目を迎えるが、オーナーが代わり、建物もリフォームされた今の演芸場は2015年に生まれ変わった新生大須演芸場と言える。
毎月、月初7日間の定席の番組構成は、平均8~9本で、今月【前編】の旭堂左燕のインタビューにもあったように、東京と大阪から積極的に芸人を呼び、もちろん名古屋在住の芸人も出演するといった、東京や大阪でもなかなか見られない贅沢な番組構成が魅力でもある。
その2026年6月定席の番組表を見ていて、ちょっとした驚きを覚えた。その日、8本並ぶ出演者のうち、3人が講釈師なのだ。近年、東京では、落語協会の興行では宝井琴調が、落語芸術協会では神田松鯉をはじめとした二代目神田山陽一門が主任を務める興行で、講談が数本入るといった興行が打たれているが、名古屋でもそれだけの数が入る番組を楽しめるというのだから、当日券を求めて大須に足を運んでみた。
その日の番組を示すと、次の通り。
旭堂 左燕 「雷電の初土俵」
桂 文五郎 「青菜」
酒井 直斗 「漫談」
田辺 鶴遊 「蜀山人」
(中入り)
泉 薬師寺 「漫才」
旭堂 左南陵 「伊達政宗の堪忍袋」
タクマ 「マジック」
桂 楽珍 「蒟蒻問答」
東京から田辺鶴遊を迎えての講談3本。落語の出演者より多いというのは、目玉と言える。
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