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初エッセイ ~水無月って何?

「かけはしのしゅんのはなし」 第1回

水無月って、知ってます?

 今、寝室の布団で、1歳の子どもの寝かしつけをしながら原稿を書いています。この連載では毎月、テーマをいただきまして、それにまつわることを書いていく予定です。

 今月のテーマは、水無月(みなづき)。……この言葉、初めて聞きました。旧暦の6月の呼称なんですね。みなさん知っています? 私の素養がないのがバレてしまう。恥ずかしい。

 師走は知っていますよ。12月の呼称ですよね。皐月も知っています。『となりのトトロ』の主人公、サツキの名前も皐月から来ていて、妹のメイは5月を英語でMay。3月の弥生は『渡る世間は鬼ばかり』の岡倉の長女の名前で、10月の神無月はものまね芸人から知りました。

 そうなると、水無月は知名度が足りないんじゃないかと。万葉集や日本書紀に書かれているからって、胡座(あぐら)をかいているんじゃないかと。現代に届けようという気概が感じ取れない。水無月を知らなくても仕方がないんじゃないか。

 そう思って調べてみたら、「水無月」という名前の和菓子の写真が出てきました。スーパーで見たことがある! 現代というか、サミットのレジ横の和菓子売り場に届いていました。でも、食べたことがないな。

 せっかくの機会なので水無月を食べようと、近所の商店街の和菓子屋さんへ、自転車に乗って出発。こういった時って、定休日だったり、目的の物が売り切れで何軒もハシゴしたり、ハプニングが付きものなんですよね。ただエッセイの良いところは、それすらネタになるので、むしろありがたいんです。

 そんなことを考えながら、1軒目に到着。店頭に水無月、ありました。ノーハプニング。無事に買えました。いや喜ばしいことなんですけれども。

近所の和菓子屋さんにありました