NEW
二合目 ~塩釜漫遊記
酒は“釈”薬の長 ~伯知の日本酒漫遊記~ 第2回
- 講談

今回は、『浦霞』で知られる酒蔵・佐浦(宮城県塩竃市)さんを訪れました
講談師が巡る宮城の酒と食の旅
東北の酒は、美味い。米も野菜も魚も、とにかくなんでも酒に合う。
私自身は生まれも育ちも茨城であるが、父方は青森、青森の祖母は調理師で食品店を営んでいたこともあり、送られてくる東北の海鮮品を口にしているうちに、嗜好がどうも東北の酒好きの好みに寄っているらしい。
そんな東北の中でも、「ご飯を食べながら飲める酒」(私的にだが)が多いのが宮城県である。
よく「えーっ、ご飯食べてる時にお酒飲める?」と笑われる。その度に「もともと米でできてる酒が、ご飯に合わないわけないだろがい!」と反論するのだが、あまり日本酒飲み以外にはピンと来ないようである(まあ、確かにリゾットや炒飯ならともかく、ビールとご飯、ウィスキーとご飯、は想像できない……)。
白米と日本酒を同時に愛する民にとって夢の国、宮城県。この日やってきたのは仙台である。有り難いことに、仙台の定席・花座で3日間もトリをとらせて頂けることになり、意気揚々と仙台へ。

まだ政宗が十八歳の時にはそれほど大身ではございませぬ。此の崖殿へお出でになつて御酒宴、實に雪といふものは家の内から見て居つたら、此の位愉快なものはない、大きく降る雪は綿をちぎって投げるが如く、政宗御機嫌斜めならず
~講談全集 第1巻 松林伯知『水戸黄門』