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自分らしく、まっすぐに 神田菫花(前編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第14回
- 講談
瀧口 雅仁
2025/10/28
神田菫花 近影(講談協会HPより)
一時期、絶滅危惧種とまで言われるも、現在、東西合わせて120名を超えるまでになった講釈師。江戸から明治、大正、昭和と、主に男性が読み継いできた芸であったが、平成、令和と時代を経て、女性目線による女性の講談が世に送り出されてきた。その時、講釈師は何を考え、何を読んできたのか。第一線で活躍する女性講釈師に尋ねてみた。(神田菫花先生の前編/中編/後編のうちの前編)
子どもの頃の思い出から始まる干瓢愛
芸を語る上で「本寸法(ほんすんぽう)」という言葉が使われることがある。辞書に意味を求めると「本来の状態、あるべき姿」とある他、「型を崩していない、正統派である」とある。個性あふれる講釈師が集まる、現在の講談界の中で、聴いていて安心でき、この先の講談の指針となるべき女性講釈師が神田菫花(かんだすみか)だ。先人から受け継いだ話を大切にし、連続物にも果敢に挑む。それでいてユニークな視線を持ち、話に入るためのマクラも楽しい。そして高座を離れれば、干瓢(かんぴょう)を愛し、自家栽培までしている。そこでまずは講談の話ではなく、干瓢のあれこれを尋ねてみた。
――いきなりですが、菫花さんと言えば「干瓢(かんぴょう)」が思い浮かびます。そこで干瓢との出会いについて教えてください。
菫花 子供の頃、母がよくお昼を買ってきたんです。和菓子屋さんの店頭でお赤飯とかを売っている店があるじゃないですか。ウィンドウの中が茶色のラインナップで、梅じそにゴボウ巻にかんぴょう巻と、色が似ている中で、かんぴょう巻が断然好きだったのですが、当時はそれを“かんぴょう巻”と呼ぶのを知らず、どうか選んでくれますようにと願っていたら、ちゃんと買ってくれていました。何でわかったんだろうって(笑)。母親って凄いなと思いました。
それからの付き合いで、真打披露のパーティの時に、結局、コロナでパーティは開けなかったんですが、先生やご来賓の方にご挨拶をいただいたり、余興があったりする中で、何か飾り物をやりたいなと思って、私が大好きなもので、誰もやっていないことで何かないかと探していたら、「そうだ! 干瓢だ」と思って、探し当てたのが干瓢のスピーカーでした。
――干瓢でできたスピーカーですか。
菫花 ユウガオの実を大きく育てて、それを乾燥させると、外側がカチカチになるんです。それを加工したものをスピーカーにするんですが、音が出る部分がありますよね。一つの実にLRの両方の音の出る部分がついているのですが、それが目みたいで可愛いんです。それで会場内のBGMを流そうと考えたんです。
パーティとなると引き出物が必要ですが、干瓢のお菓子って賞味期限があって、適当なものがなかったので、それで楽しんでもらおうと。その時に干瓢の生産第1位の栃木県の下野市にお住まいの方と知り合いになって、色々とお世話になり、今もお付き合いさせていただいています。
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