レッサーパンダの風太くんは、パン間国宝!

「浪曲案内 連続読み」 第7回

レッサーパンダの風太くんは、パン間国宝!

レッサーパンダの風雲児、風太くんの浪曲を初披露しました!(画:原えつお)

東家 一太郎

執筆者

東家 一太郎

執筆者プロフィール

平成のスターは今も現役

 平成なかばの2005年、あなたは何をしてましたか? 二本足で立つレッサーパンダの風太くんを覚えてますか?

 その風太くんは、いまも千葉市動物公園にいます。放飼場(屋外の飼育スペース)の小屋で寝ている風太くん。お客さんから「あぁ、風太くん、二代目か?」と間違えられようとも、「まだご健在でしたか!」と、びっくりされようとも、レッサーパンダの国内最高齢22歳(人間でいうと90歳くらい)のいまも現役で、元気にかわいい姿を見せてくれます。

 さすがに立つことはないそうですが、年齢相応の動きで、13時30分からの食事の時間(リンゴ・タイム)には、食欲旺盛に食べる、その尊い姿が見られます。

 11月1日、千葉市動物公園の「ちばzooフェスタ2025」のイベントのひとつとして「動物園で浪曲」と題した、東家一太郎、曲師・東家美の浪曲公演をさせていただきました。四回目の今回は、風太くんの浪曲を初披露しました。

千葉市動物公園で開催された「第四回 動物園で浪曲」

 会場は、動物公園内の動物科学館にあるレクチャールーム。150席ほどで、子どもたちも親しみやすい、とても懐かしい雰囲気の素敵なホールです。

 風太くんは2003年7月5日、静岡の日本平動物園に生まれました。誕生日は大谷翔平サンと同じです。翌年、千葉市動物公園にやって来ました。

 2005年5月、二本足で直立する風太くんの姿が新聞で取り上げられると、テレビは連日、風太くん一色。その立ち姿を見ようと、展示場には幾重にも人だかりができました。この風太くんフィーバーで、彼は日本で一番有名な動物のひとり、いや「ひとパン」となりました。

 レッサーパンダ舎の前には、そのフィーバーを記念して、ファンの方から寄贈された風太くんとそのファミリーの銅像が立っています。お客さんが記念撮影に使っていますが、なぜか理由がわかりました。風太くんとツーショット写真を撮ろうと思っても、離れている上に人間の方が大きいのでうまく撮れないのです。

 また、この銅像あるがゆえに、風太くんが二代目と思われてしまうのかもしれません。