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除夜の鐘 ~しょうもない年越しの瞬間

「テーマをもらえば考えます」 第5回

ワタクシメのような人間は

 ところで皆様、除夜の鐘を鳴らしたことありますか? ワタクシはモチロンないです! なさそうでしょ? だからモチロンです。

 寒いし~、混むし~、特に落語家になってからは元日から仕事だし~! だからこそ「そこにシビれる! あこがれるゥ!」です。一度は撞いてみたいかな。

 じゃあ需要がなくても、自分が除夜の鐘を撞くとしたら……想像してみよう。まず、オシッコしておきたいな! 並んでる間に我慢できなくなるかもしれないから。

 次にカップルで「2人で一緒に鐘を撞こう」とかいうのを見て、イライラしないようにしないと!

 「ナニそれ? その煩悩はナニ!? ていうか2人だと0.5煩悩をなくすの? ナニ? ナニ?」

 よし、落ち着こう!

 そして鐘を撞く時も落ち着こう。コレでも旅の仕事でお寺さんの鐘を撞かせてもらったことがあるから。やれる!

 かといって、調子に乗って振りかぶり過ぎるのもカッコ悪いぞ。その勢いで撞くつもりじゃない時に鳴ったら恥ずかしいから。とは言いながらも、遠慮して撞いて「ふわぁ~ん」みたいな音しか出なかったら、「この腰抜けー!」ってなるよな。緊張するなー。

 あ、さっきオシッコした時にちゃんと手を洗ったよな? 普段、絶対洗うから自信持とう! それより鐘を撞く前に、お坊さんにお辞儀しないと。撞いた後もしないとな。でもお坊さんも最低108回×2回もお辞儀の返事してたら疲れちゃうかな? いや、お坊さんは3交代くらいでやってるかな。じゃあ失礼よりお礼は大事だよね!

 よーし、やめた!!! 難しい! ワタクシメのような人間は、鐘は撞けない。あきらめることにします。いや大体みんなこんな感じだよね。うん、きっとそう!!