NEW

2026年1月のつれづれ(追悼 名人・伊丹秀敏)

月刊「浪曲つれづれ」 第9回

名人を継ぐ音、次代を担う声

 残念ながら、2025年から四郎若さんは舞台に上がっておらず、浪曲親友協会に引退を伝えていると聞く。秀敏さんとの共演は最初で最後となってしまった。一期一会の舞台をご用意し、ご両所へのささやかな恩返しができたことが、今となっては私の小さな誇りになっている。

 名人・伊丹秀敏は鬼籍に入ったが、日本浪曲協会には、その弟子である曲師の伊丹明、水乃金魚、馬越ノリ子、東家美、伊丹けい子、旭ちぐさ、伊丹秀勇が健在である。木馬亭でぜひその活躍を応援していただきたい。

 追悼が長くなった。今月は初席バージョンで、木馬亭定席も賑やかに開催されている。2026年の注目株は、いよいよ30代に突入する国本はる乃だ。昨年の豪華浪曲大会では昼夜を通してのトリを務め、その成長ぶりを見せつけた。

 2025年には年間を通してネタ下ろしの会「20代最後の悪あがき」を行い、見事全40回を完走した。この経験が彼女をさらなる高みに押し上げてくれることだろう。どうぞお見逃しなく。

 最後にまた一つだけ宣伝を。浪曲の可能性を拡げるための試み〈Rokyoku Extended〉にまた新しい展開が生まれた。すでにはるき悦巳原作「じゃりン子チエ」と京極夏彦原作「巷説百物語」に挑んでいる真山隼人・沢村さくらコンビが、原作浪曲第3弾として小学館刊「ビッグコミックオリジナル」連載の人気漫画、安倍夜朗「深夜食堂」を浪曲化することになったのである。

 初演は2月7日(日)、深川江戸資料館にて19時開演である。ご予約は、sugiemckoy@gmail.com(杉江宛)まで。大阪公演も次いで予定しているので、情報は後日。

 また、この公演の翌日午後、真山隼人主催のトークイベントを東京・御徒町のギャラリー・ゴロー(東京都台東区上野3-5-7 青山ビル1F)で予定している。浪曲界の未来展望について、隼人が熱く語る予定。こちらもぜひ。

(以上、敬称略)

(毎月9日頃、掲載予定)