雪のココア
シリーズ「思い出の味」 第19回
- 落語
柳家 わさび
2026/01/13
今も思い出す、懐かしい味と、かけがえのない時間の記憶
私は三年六ヶ月、“内弟子”をやらせていただき
残りの一年は“通い弟子”の
計四年六ヶ月の前座修行期間だった。
“通い弟子”の期間は、朝、師匠宅へ行き、掃除をすませて
朝ごはんをいただき、寄席や落語会へ向かう。
昼帯のおつとめが終わり次第、師匠宅に戻ったり
夜、仕事があった場合も門限の夜十時には師匠宅へ戻る。
それから夜零時か、それ過ぎくらいには
師匠宅近所にある自分が借りているアパートに戻ってよかった。
この“通い”は自由度が大変高く
夜好きなタイミングでトイレに行けたり
夜コンビニに行けるようになったりで
まるで状況が変わったので
「これで本当に修行になるのだろうか?」
と思いながら一年を過ごした。
二ツ目に昇進した時より、“内弟子”から“通い”になった時の方が
何倍もドーパミンが出た。
それが“通い”だ。
“内弟子”というのは
師匠の家に師匠と一緒に住むことである。
私の場合は、もちろん“弟子の部屋”などはなく
木造二階建て、その二階奥にある
四畳半の着物の部屋で寝かせていただいていた。
起きている時の待機場所は
右から「なれるな、あまえるな、くつろぐな」という
文字が書かれたスローガンが貼られた台所の勝手口
(弟子は玄関を利用してはいけないので、この勝手口から出入りする)か
勝手口を出て、裏にある物置と下駄箱の間のスペースで
そこにパズルのピースのようにはまっていた。
師匠宅にいる時間は、だいたい掃除をする。
二十二年経った今でもよく夢で具現化されるくらい
あの木造の二階建てを雑巾がけした。
庭も結構草むしりしたのだが、庭の方は夢にあまり出てこない。
おつかいで表に出ることはあったが
帰りが遅いと遊んでる疑いがかけられるのは当たり前で
とにかく走るのは必須だった。
一年くらい経ってから銭湯に行く時間が30分生まれたが
基本24時間師匠宅から出ることはなかった。
いま読まれています!
「テーマをもらえば考えます」 第7回
愛と青春のカレー断ち
~うん、世の中よく分からないことだらけだわ……
三遊亭 天どん
2026/02/28
「芸人本書く派列伝 クラシック」 第10回
〈書評〉 〈声〉の国民国家 浪花節が創る日本近代 (兵藤裕己 著)
~浪曲・中興の祖、桃中軒雲右衛門の声が編んだ幻想の共同体
杉江 松恋
2026/03/01
「二藍の文箱」 第10回
かたばみ日記 ~初主任の十日間
~高座と人生が交差する、濃密で温かい日々を綴った十日間の軌跡
三遊亭 司
2026/03/02
「ずいひつかつどお」 第3回
ぼうけんだんきち
~可能性の獣たちよ、大海原に漕ぎ出そう!
立川 談寛
2025/08/28
「二藍の文箱」 第9回
寄席、そちらとこちら
~寄席の客席と楽屋は、やさしさにあふれている
三遊亭 司
2026/02/02
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
「コソメキネマ」 第十回
浪曲の台本
~臆病者の侍が心理作戦で剣豪に立ち向かう映画をご紹介!
港家 小そめ
2026/02/21
「“本”日は晴天なり ~めくるめく日々」 第9回
〈書評〉 小麦畑できみが歌えば (関かおる 著)
~孤独な少女が声で未来を切り拓く、静かで熱い成長物語!
笑福亭 茶光
2026/02/27
「マクラになるかも知れない話」 第七回
街道一の大節分
~男には、逃げてはならない時がある!
三遊亭 萬都
2026/02/26
「すずめのさえずり」 第八回
鹿芝居狂想曲 ~しろうとしばいはおおにぎわい~
~主役なのに不安だらけ? 鹿芝居「髪結新三」奮闘記!
古今亭 志ん雀
2026/02/23
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
「マクラになるかも知れない話」 第七回
街道一の大節分
~男には、逃げてはならない時がある!
三遊亭 萬都
2026/02/26
「エッセイ的な何か」 第9回
2月9日は、服の日 →普段から着物で生活する男の葛藤
~マオカラーの夢、丸刈りの悪夢
三笑亭 夢丸
2026/02/24
「テーマをもらえば考えます」 第7回
愛と青春のカレー断ち
~うん、世の中よく分からないことだらけだわ……
三遊亭 天どん
2026/02/28
「“本”日は晴天なり ~めくるめく日々」 第9回
〈書評〉 小麦畑できみが歌えば (関かおる 著)
~孤独な少女が声で未来を切り拓く、静かで熱い成長物語!
笑福亭 茶光
2026/02/27
「すずめのさえずり」 第八回
鹿芝居狂想曲 ~しろうとしばいはおおにぎわい~
~主役なのに不安だらけ? 鹿芝居「髪結新三」奮闘記!
古今亭 志ん雀
2026/02/23
「二藍の文箱」 第9回
寄席、そちらとこちら
~寄席の客席と楽屋は、やさしさにあふれている
三遊亭 司
2026/02/02
「芸人本書く派列伝 クラシック」 第10回
〈書評〉 〈声〉の国民国家 浪花節が創る日本近代 (兵藤裕己 著)
~浪曲・中興の祖、桃中軒雲右衛門の声が編んだ幻想の共同体
杉江 松恋
2026/03/01
「コソメキネマ」 第十回
浪曲の台本
~臆病者の侍が心理作戦で剣豪に立ち向かう映画をご紹介!
港家 小そめ
2026/02/21
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回
世間せまないか?
~落語家を多数輩出する片田舎、神戸の垂水
桂 三四郎
2026/02/01
「二藍の文箱」 第9回
寄席、そちらとこちら
~寄席の客席と楽屋は、やさしさにあふれている
三遊亭 司
2026/02/02
月刊「シン・道楽亭コラム」 第10回
シン・道楽亭、誕生前夜から今へと続くキャリー・ザット・ウェイト Part.2
~共同席亭という名称のひらめきと、橋本さんとの生前最後の面談詳細
シン・道楽亭
2026/02/10
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回
世間せまないか?
~落語家を多数輩出する片田舎、神戸の垂水
桂 三四郎
2026/02/01
「艶やかな不安の光沢」 第1回
謂れなきものたちの飛躍
~年始からとちってしまった芸人の胸のうち
林家 彦三
2026/02/12
「令和らくご改造計画」
第七話 「若手人気落語家殺人事件 【解決編】」
~寛容な落語の世界、非寛容な現実の世界
三遊亭 ごはんつぶ
2026/02/13
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第24回
講談界を駆ける一鶴イズムの継承者 田辺銀冶(前編)
~魅力と素顔に迫るインタビュー
瀧口 雅仁
2026/02/03
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第10回
宇宙一の美人も風邪には勝てない
~たっぷりの愛情を込めて演芸界という濃密な世界を描く芸人日記
東家 千春
2026/02/03
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
月刊「浪曲つれづれ」 第10回
2026年2月のつれづれ(沢村豊子を偲ぶ会、玉川奈々福の徹底天保水滸伝、帯広浪曲学校)
~世界に一つだけの宝
杉江 松恋
2026/02/09
「お恐れながら申し上げます」 第6回
早朝寄席のこと
~精一杯やりますので、ご来場をお待ちしております
入船亭 扇太
2026/02/11
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第5回
落語家の夢
~俺の目は、まだ濁っていない!!!
桂 三四郎
2025/11/27
「令和らくご改造計画」
第六話 「若手人気落語家殺人事件 【事件編】」
~古典派と新作派の溝!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/01/12
「令和らくご改造計画」
第四話 「初心者よ永遠なれ」
~AIが落語を演じる時、それでも人は笑えるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2025/11/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第6回
運と皆様のおかげです
~人間は弱い生き物です
桂 三四郎
2026/01/01
シリーズ「思い出の味」 第19回
雪のココア
~内弟子時代に憧れた甘い味
柳家 わさび
2026/01/13
「艶やかな不安の光沢」 第1回
謂れなきものたちの飛躍
~年始からとちってしまった芸人の胸のうち
林家 彦三
2026/02/12
「令和らくご改造計画」
第五話 「ヨセジャック事件」
~落語家にとってのマクラとは何か?
三遊亭 ごはんつぶ
2025/12/12
シリーズ「思い出の味」 第15回
水茄子とジンジャーエール
~夏の青臭さ、生姜風味の泡沫が映す情景
林家 彦三
2025/11/25
掲載記事300本記念
〈掲載記事300本記念〉 柳家さん喬師匠 スペシャルインタビュー【前編】
~小さん師匠の「おめでとう」から始まる新しい年
話楽生Web 編集部
2026/01/25
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回
世間せまないか?
~落語家を多数輩出する片田舎、神戸の垂水
桂 三四郎
2026/02/01
編集部のオススメ
掲載記事300本記念
〈掲載記事300本記念〉 柳家さん喬師匠 スペシャルインタビュー【後編】
~急がず、無理にいじらず、忠実に磨き続ける。その姿勢がまっとうな芸を支える
話楽生Web 編集部
2026/01/27
掲載記事300本記念
〈掲載記事300本記念〉 柳家さん喬師匠 スペシャルインタビュー【中編】
~伸びた鼻っ柱が折られた、小さん師匠のひと言
話楽生Web 編集部
2026/01/26
掲載記事300本記念
〈掲載記事300本記念〉 柳家さん喬師匠 スペシャルインタビュー【前編】
~小さん師匠の「おめでとう」から始まる新しい年
話楽生Web 編集部
2026/01/25
「浪曲案内 連続読み」 第9回
三味線と 浪曲唸って 二刀流 弾く手あまたな 伊丹秀敏
~浪曲史に愛され、刻まれた最高の曲師
東家 一太郎
2026/01/23
「くだらな観音菩薩」 第9回
伎芸天
~努力は報われるのか、裏切られるのか
林家 きく麿
2026/01/16
「講談最前線」 第14回
2026年1月の最前線(新春ご挨拶 : 宝井琴調・講談協会会長 & 神田紅・日本講談協会会長、今年の顔 : 田辺いちかインタビュー)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/01/15
シリーズ「思い出の味」 第19回
雪のココア
~内弟子時代に憧れた甘い味
柳家 わさび
2026/01/13
「令和らくご改造計画」
第六話 「若手人気落語家殺人事件 【事件編】」
~古典派と新作派の溝!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/01/12
月刊「シン・道楽亭コラム」 第9回
昭和101年に寄せて ~落語は新しい!!
~落語を未来へ手渡す人々
シン・道楽亭
2026/01/10
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第6回
運と皆様のおかげです
~人間は弱い生き物です
桂 三四郎
2026/01/01