まんまるおつきさま
「ずいひつかつどお」 第4回
- 落語

立川 談吉
2025/09/27

絵・フジマリ
今も心に響く、決め台詞
「月に代わっておしおきよ!」
これは平成を代表するアニメ、『美少女戦士セーラームーン』の有名な決め台詞だ。主人公の月野うさぎが月の戦士セーラームーンに変身し、悪人たちの前で見得を切る。
華麗に動いた後、若干左半身を前にして胸の前で両肘を曲げて交差、左手は中指と薬指を握り込み、手の甲を正面に向け、右手は人差し指と親指を立ててピストルの形を作り、最終的には山本リンダが狙い撃つようにビシッと決める。
そもそも月がおしおきをするのかはわからないが、「悪いことをするとお天道様が見ている」という日本人の感覚にあっていたのかもしれない。
また、ムーンの仲間にマーズ、マーキュリー、ジュピター、ヴィーナスなどがいる。それぞれが
「火星に代わって折檻(せっかん)」
「水でもかぶって反省しなさい」
「しびれるくらい後悔」
「愛の天罰」
などの決め台詞を持っているくらいなので、惑星が人間を懲らしめるのは必須なのかもしれない。
我らが名人、八代目桂文楽にもこんな名台詞がある。
「あたしが許しても天が許しませんよ」
もしかしたらこの言葉を言う時、名人文楽は頭の中でなんらかのポーズをとっていたのかもしれない。
昔から愛されてきた、お月さま
太陽、お日様、お天道様。いろんな呼び名がある。
太陽を崇める文化や宗教は無数にあり、西から昇ったお日様が東へ沈むのをこれでいいのだとする歌もある。人間が太陽を神格化するのは、肉眼で長時間眺めたりできないことや、全く手が届かないことに畏れや尊敬の念を抱いているのが要因ではないかと考える。
ちなみにエジプト神話の太陽神ケプリは、フンコロガシの姿をしている。フンコロガシが糞玉を転がしている様子が、古代エジプト人たちにとっては太陽を動かしているように感じ、さらにその糞玉の中から新しいフンコロガシが生まれるのを見て太陽から命を生み出していると考えたからだそうだ。
自分で文章にしていてとても気持ちが悪いが、文化や価値観の違いであり多様性なのだ。
太陽に比べて、月はとっても身近である。太陽が将軍様だとすると、月は御大名様くらいではないか。落語にこんな小咄がある。
殿様 「今宵は十五夜である、お月さまは出たか」
家来 「お月さまとは異なことを、殿はたいじんなれば、月はただ月と仰せられますように」
殿様 「左様か、では月は出たか」
家来 「一点の隈(くま)なく、冴え渡っております」
殿様 「うむ、して星めらはいかがいたした」
身分に関わらず、気軽に月を楽しんでいたのがわかる良い小咄だと思う。
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