自分らしく、まっすぐに 神田菫花(前編)
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- 講談
瀧口 雅仁
2025/10/28
干瓢に込められた悠久の物語
―― そんな干瓢の魅力って何ですか。
菫花 最初はかんぴょう巻など料理として出来上がった状態しか知らなかったので、戻すところから作ってみよう!と最初は適当にあれこれとやってみたんです。かなりやったんですが、固いままだったり、柔らかすぎたりうまくできない。結局、袋の裏に書いてある通りの戻し方で作るのが一番美味しいんです。
それに気づいた時に、「干瓢に携わってきた諸先輩方も、はじめからうまくいった訳ではないはず。これまで創意工夫をしながら、干瓢の道を先に進んできた人がいるからこそ、袋の裏の作り方が完璧なんだ」「この世の中には干瓢を大切にしている人がおられるんだ。干瓢は奥の深い世界なんだ!」と。干瓢には味はないけど、それを守って、後世に伝えていく皆様のぬくもりを感じたんです。
遺跡を見つけて、それを掘り起こして調査をして、偉大な発見をする人がいるじゃないですか。発見を通して、先史時代に生きた方の鼓動に触れる。そんな衝撃がありました。干瓢を美味しく食べてもらうために、悠久の時間が費やされ何世代にもわたり惜しみない手間がかけられている。あのペラペラの内にロマンを隠しているところが魅力です。本当はまだまだ魅力はありますが、これ以上申し上げると明日の朝になってしまうので、ひとまずこの辺にしておきます(笑)。
ここに登場する干瓢のスピーカーとは、栃木県小山市のリッツコーポレーションが開発した「fucucchi(フクッチ)」のことで、2013年にユウガオの実である「ふくべ」を使用し、乾燥には2年かけるとのこと。形や大きさが異なることから、全て手作業での製作で、まろやかな音が楽しめるという。そして菫花の干瓢の話はまだまだ続く。
―― 菫花さんは自分でも干瓢を栽培していますよね。今年の収穫はいかがでしたか。
菫花 3月に畑の中に肥料を撒いて、4月に種を撒きました。追肥もして万全かなと思っていたんですが、結局、1個しかできませんでした。もうちょっと収穫したかった……。今年は暑すぎたせいもあってか、葉も枯れてしまって。これが完成品なんですが、菫花の技術不足から、しわしわに縮んでしまったのもあります。ぜんぜん商品にはならない状態です。

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