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自分らしく、まっすぐに 神田菫花(前編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第14回

干瓢でつながる縁

――では、この干瓢を美味しく食べるんですね。何かメニューは考えていますか。

菫花 桂しん華さんと「かんぴょうと猫の会」という会を開いているんですが、そこで卵とじにしたお澄ましでみなさんに食べてもらおうと思っています。

――菫花さんのおススメ干瓢レシピがあれば教えてください。

菫花 やっぱりお味噌汁ですかね。これが一番簡単で美味しい。あとは切干し大根と煮たり、おでんに入れたりと、出汁と相性が合うんです。

――講談の方でも、宝井琴星先生の『干瓢大名』を読まれますよね。

菫花 年に1回、精進潔斎(しょうじんけっさい)して読ませていただいております。

――あの講談を読むようになったきっかけは何ですか。

菫花 宝井琴鶴(たからいきんかく)姉さんが開設しているYouTubeに出していただいた時に、干瓢の紹介もしてくださって、それを宝井琴星(たからいきんせい)先生がご覧になっていたんです。そうしたら公開日の四日後に台本が届いて。それも今は郵便が届くまでに2日はかかるじゃないですか。製本されて、送ってくださったことを考えると、仕事が早すぎる!って(笑)。楽しい話なので、一度、みなさんにも聴いていただきたいです。

 ここで演題があがった『干瓢大名』は、大ベテランの宝井琴星による新作講談で、鳥居忠英(とりいただてる)という大名が下野国(しもつけのくに)の壬生藩(みぶはん)に国替えとなった際に干瓢を名物にしたという話である。干瓢好きの神田菫花の干瓢トークに着想を得て創作した作品であり、琴星特有の伏線や仕掛けがある物語と、干瓢に対する熱量の高い菫花が、その作品をどう読むのか。機会があれば一度聴いてもらいたい一席である。

(以上、敬称略)

神田菫花(講談協会 公式ホームページ)

(中編に続く)