レッサーパンダの風太くんは、パン間国宝!

「浪曲案内 連続読み」 第7回

レッサーパンダの風雲児

 ともかく風太くんのおかげで、レッサーパンダという動物の存在が日本全国に知られることになりました。

 しかし、テレビで見たことはあっても、実際に千葉市動物公園に風太くんを見に来たことがある人や、その後の20年間の風太くんについて知っている人は少ないかも知れません。また20年前のフィーバーですから、20歳以下の若い人は知らないと思います。

 そんなあなたのために、また風太ファンのために、風太くんの偉業を讃えた浪曲が、今回披露した新作浪曲「レッサーパンダの風雲児~千葉市動物公園の風太くん」なのです。

 ちなみにこのタイトルは風雲児と風太くんの「風」を掛けました。また、師匠の東家浦太郎の十八番演目、私も持ちネタで演っております、浪曲中興の祖、桃中軒雲右衛門(とうちゅうけんくもえもん)先生の半生を描いた浪曲「桃源の風雲児」とも掛けています。

 つまり、風太くん=レッサーパンダ中興の祖!という意味合いです。

 この風太くん浪曲、今年の11月22日(土)、木馬亭での一太郎の会「いちかい」で、特別演出で披露しますので、ぜひ聴きにいらしてくださいッ。

 レッサーパンダは元々、二本足で立つ動物です。野生で住んでいる場所は、中国、ミャンマー、ネパール、インドなどの寒いところ。

 主食は、竹や笹です。そもそも「パンダ」はネパール語で、「竹を食べる者」という意味。ジャイアントパンダよりレッサー(小型の)パンダの方が先に発見されたそうです。高いところに生えている笹をたぐり寄せるため、レッサーパンダは立ち上がることができるのです!

 特に、風太くんは綺麗な立ち姿で、本当に人間のように立ちます。その個性、生まれ持ったアイドル性で大人気となりました。

今年で22歳の風太くん(人間でいうと90歳くらい)

 フィーバー後の風太くんは、長野の茶臼山動物園からやって来たメスのレッサーパンダ、チィチィとの間に10頭の子どもたちを作ります。さぁそれから風太一族の繁栄が始まりますッ。

 風太くんの子孫の家系図が千葉市動物公園のレッサーパンダ舎に貼ってあります。皆さんのお住まいの近くにある動物園にも、もしかしたら風太くんの子孫がいるかも!