レッサーパンダの風太くんは、パン間国宝!

「浪曲案内 連続読み」 第7回

動物から学ぶこと

 玄孫の次の来孫、「来る孫」と書いて「来孫」という言葉、私もレッサーパンダのおかげで初めて知りました。動物園の職員さんのお話を聞きますと、風太くんもすごいですが、10頭の子どもを出産し、8頭の子どもを育て上げた、良妻賢母の肝っ玉母さん、チィチィの力が大きいそうです。

 風太くんが子孫を増やしてきたことには、大きな意味があります。レッサーパンダは、レッドリストで、絶滅危惧種に指定されているからです。

 生息地の回復を待って、種の保全をすることが動物園の重要な役割のひとつだそうです。動物園では、世界中の様々な野生動物と出会うことができます。その動物の生態やかわいらしさ、魅力を通じて、命のつながりを感じ、共に生きることの大切さを学ぶことができます。

 千葉市動物公園は、今年開園40周年を迎えました。園内の動物と自然を学ぶスポットである動物科学館は、見て聴いて感じて学べる「生命の森 熱帯雨林」としてリニューアルされました。

 私と美さんが、千葉市動物公園で浪曲をさせていただいているきっかけは、鏑木一誠(かぶらぎかずまさ)園長との出会いです。

 2019年、私たちが文化庁芸術祭新人賞をいただいた後、母校の早稲田大学での総長招待祝賀会に参加させていただき、その場で、早稲田の大先輩でいらっしゃる鏑木園長にご挨拶させていただきました。鏑木園長は東芝グループの執行役員から、その年、公募によって園長に就任されたというご経歴です。

 美さんは船橋市出身で、子どもの頃から千葉市動物公園によく行っていました。特に動物科学館にある、一日に一度スコールが降るバードホールがお気に入りだったそうです。

 このように、ちばzoo愛のご縁と、園長のお人柄に魅かれて、「動物園で浪曲」という素敵なイベントをつとめさせていただいています。鏑木園長との出会いから6年、様々なお仕事ぶりを拝見して、早稲田の「進取の精神」を感じ、学ばせていただいています。

 そんな鏑木園長に、リニューアルした動物科学館「生命の森 熱帯雨林」を力のこもった熱い想いでご案内いただき、感動しました。動物園から、そして動物から学ぶことには大きな意義があると思います。

 前回の連載で書きました「オオカミ王ロボ」、シートン動物記のシートンは「人間と動物は種がちがうだけで同じ」と語っています。

鏑木一誠園長にご案内いただいた「生命の森 熱帯雨林」