目青不動

「くだらな観音菩薩」 第7回

運命の人

 そう言えば、二ツ目になりたての頃、お参りしたすぐ後に、居酒屋で素敵な女性と知り合ったことがあります。

 たまたま数日前に占いに行って、「もうすぐ運命の人に逢えるよ」と言われたこともあり、早速、恋愛のご利益があったのかと思いました。

 「お仕事は何されてるんですか?」
 「あー、僕、落語家なんです。そちらは?」
 「私は漫画家の先生のお手伝いをしてまして」
 「へぇ、アシスタントですか?」
 「いや、身の回りのお世話をしています」
 「そうなんですか」

 それから彼女は、漫画家の先生(女性)の愚痴をとめどなく話し始めた。話を聞きながら、彼女はその先生の愚痴を言いながらも、凄く大事に思っているんだなと感じた。まるで恋人の愚痴を女友だちに話すようだった。

 もしかしたら先生は男なんじゃないの?と思えてしまうほどの愚痴だった。

 「すいません、こんな話、私ばっかり話をして」
 「いやいや、いいんですよ。話が上手な人は聞き上手だと思っているので、聞くことも勉強になるんですよ」
 「そうなんですか。あ、そうだ! 私お菓子を作るのが好きなんです。今度持ってくるので食べてください」
 「いいんですか? わー、食べたい食べたい」

 じゃあまた会いましょうと、連絡先を交換して別れました。