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百花繚乱! 10人組の落語家ユニット「芸協カデンツァ」がやって来た【前編】
「ピン芸人・服部拓也のエンタメを抱きしめて」 第7回
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元放送作家、ゆるキャラ、イケメン、肉体派…。個性の大渋滞が、芸協カデンツァ!
カフェコマドに現れた、落語家アベンジャーズ!
あなたは、ご存知だろうか? 「芸協カデンツァ」という、落語家アベンジャーズを!!! ……ちなみに“アベンジャーズ”とは、アメリカ版『少年ジャンプ』みたいなヒーロー軍団のことです。
2023年の春、コロナ禍も落ち着き始め、生のイベントやライブ、演芸がやりやすくなった時期に、その日は訪れた。
私が店長をさせていただいている「東新宿カフェコマド」で2022年の夏から、手探り状態で始めた落語会。半年以上経った2023年のある日、彼らは突然現れた!
――その名も芸協カデンツァ!!!

その代表から話を聞くと、落語芸術協会(芸協)所属の二ツ目で構成された10人組のユニットで、毎週メンバーの3名が入れ替わりながら2019年から定期的に落語会を開催しており、今回、カフェコマドに拠点を移したいという話だった。
私は、「家電」は知っているものの、“ツァ”というヨーロッパ感のある響きの付いた「カデンツァ」の意味は知らなかった。
調べると、「カデンツァ」は音楽用語で、「自由な即興的歌唱・演奏の部分」ということらしい。そこに、芸協の事務所がある「芸能花伝舎」にちなんで命名されたそうだ。そう、凄くオシャレなのだ。
そんな、オシャレな芸協カデンツァのメンバーは、立川幸之進、瀧川鯉津(現・春風亭鯉づむ)、春風亭昇吾、桂竹千代、昔昔亭喜太郎、瀧川鯉白、三遊亭遊子、桂鷹治、古今亭今いち、笑福亭希光の10人(敬称略)。
2023年当時、平均年齢が40歳だった。二ツ目の落語家と言えば、勝手に20代~30代の若手のイメージがあったのだが、私と同世代の30歳半ばの人もいれば、最年長は49歳だった(最年少は34歳)。
なんだ、その世代を超えた多種多様の香味全開のおもしろユニットは!と興味が湧いた(笑)。

しかも、一人で演じる伝統的な落語家がユニットを組むという謎の集まり。お笑い界では、仲の良い芸人が定期的に集まってライブをすることはよくあるが、落語家が同じ協会のメンバーでユニットを組んで活動することを、当時の私は知らなかった。
さらに聞くと、もともと定期の落語会「金曜日の芸協カデンツァ」を開催していた場所が、急に会場オーナーの謎の失踪によって使えず、会場難民と化していたのだ。不運なオジサンの集まりに抱いたことのない謎の親近感をいだき、「コマドでよければ、ぜひご協力させてほしい」と伝えた。
それからメンバーと何度か打ち合わせ、芸協の大先輩・桂米助師匠もコマドに来ていただき、色々と話をさせていただいた。
そういえば、2023年の頭に『もっとイベントを増やして、色んな人にコマドを使っていただきたい』と思っており、さらに『定期的な何かできたら』と思っていた矢先に、10人のオジサンはやって来た。
まさにカフェコマドの「落語家アベンジャーズ」!!!