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弥勒菩薩(半跏思惟像)

「くだらな観音菩薩」 第8回

林家久蔵師匠に電話しようかな

 というわけで、私も100年に1人の逸材になりたいと思うわけなんですが、なれるとしたら、どのジャンルで100年に1人になれるでしょうか? ある? あるかなぁ? ないよねぇ。

 新作落語界で!なんて言ってくれる人もいるだろうけど、まさかまさか、円丈師匠が生まれて100年も経ってないし、私なんかおこがましい限りです。白鳥師匠は、のちのち天才と言われるかもしれないですけど。

 では、100年に1人になるためには、何かムーブメントを起こさないといけないのではないか?と考えるわけですよ。へーい、へいへい!ですよ。時には起こせよムーブメントですよ。

 そう、この世界で「きく麿に敵う者はいない」と言われる何かをやり遂げて、初めて「100年に1人の漢(おとこ)」と言われる訳ですからね、でもなぁ……ある? 何かあるかなぁ? ないよねぇ。

 だって、私にできることと言えば、自分より下の人の失敗を見つけて、重箱の隅まで追い込んでいくこと(もう大人になったからやらないけど、やろうと思えばできる!)、街を自転車で走り回って、落ちている片方の手袋や軍手を集めること。

 ラーメンのスープを全部飲んだら太るから「おい、これくらいの量なら飲んじゃえよ!」と言われないくらいの微妙な量でスープを残せること。

 林家久蔵師匠に電話をして、色んな師匠の声真似で仕事を頼んだ後、翌日また電話をして、「昨日、仕事の電話ありましたよね」「えっ? 何で知ってるの?」「あれ、電話したの僕なんですよ」と言って騙すことくらいですよ。

 あぁ、考えれば考えるほど何もないなぁ。やはり凡人は凡人として生きていけと言うことなのか。私なんかがスーパースターになるためには、あと8回くらい生まれ変わって徳を積めということですよ、私の来世たち!

 頑張ってくれ~い!