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ブルースの聴けるおでん屋 kazeさんの「蟹面」(石川県加賀市)

「べべログ 心がホワ~ンとするグルメ」 第4回

ブルースの聴けるおでん屋 kazeさんの「蟹面」(石川県加賀市)

一目見た瞬間、その美しさに感動してしまいました!

笑福亭 べ瓶

執筆者

笑福亭 べ瓶

執筆者プロフィール

季節の変わり目は蟹の変わり目

―― 季節の変わり目、お風邪などひきませんように。
―― 季節の変わり目ですので、お身体ご自愛ください。

「季節の変わり目」という、なぜかちょっとネガティブ気味に使われてしまうこの言葉ですが、僕は季節の変わり目が大好きで。

着る服を変えられるのも嬉しいけど、何より嬉しいのは、各季節の旬の食材が味わえること。

特に、この11、12月にしか食べられないものがありますよね。

そう!
それは、香箱ガニ(こうばこがに)!!!

石川県では香箱ガニと呼ばれますが、お隣、福井県に行くとセイコガニと呼び方が変わります。

そのことを知らなかった僕は、先日行かせていただいた福井での落語会のトークコーナーで「香箱」「香箱」と連呼していると、一番前のお客様に「セイコ!!」とお叱りを受けてしまいました。

僕は毎年、石川県の小松と金沢と加賀で落語会をさせていただいてるんですが、世話人さん皆さんが香箱と言っていたので、てっきり共通語だと思ってたんです。

皆様、北陸における蟹への思い入れは相当強いものがありますので、北陸で蟹を食べる時はお気をつけください。

間違っても、ズワイガニのメスなんて言わないように(笑)

僕は福井でセイコとして食べたことがまだないので、今回は香箱で書かせていただければと思います。

福井の皆様、申し訳ありません。

石川県加賀市、山代温泉郷の中にある、ブルースの聴けるおでん屋 kazeさん。

こちらのお店は、その名の通り、音楽ライブができるスペースがあり、質の高い音響設備が整っています。

しかし、ブルースばかりをやっているわけではなくて。

映画『クローズ』シリーズに挿入歌として何曲も使われている、横道坊主の大ファンであった大将。

日本料理の板前として修行中だった17歳の頃、「午前6時西新宿」という曲の最初に出てくる

♪ブルースの聴けるおでん屋で新しい仲間たちと朝まで飲み明かした…

という歌詞を聞いて、

もし将来まだ料理の仕事を続けていてお店を出すとしたらこの名前にしよう!!

と心に決めていたそうです。

そして、それから時は流れ、2013年12月15日。

ホテルの料理長をやめてオープンしたお店が、この「ブルースの聴けるおでん屋 kaze」さんなんです。

お店のロゴを描いてくれたのは、横道坊主のギタリスト、今井秀明さん。

しかも、横道坊主のギターボーカル、中村義人さんはソロライブを何度もしに来てくださったそうで、まさに「一念、岩をも通す」を体現したお店なんです。