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ブルースの聴けるおでん屋 kazeさんの「蟹面」(石川県加賀市)

「べべログ 心がホワ~ンとするグルメ」 第4回

変態オヤジ(笑)が作る極上おでん

先に言っておきます。今回はお料理にいくまでの前置きがちょっと長くなりますので、ご了承くださいませ。

kazeさんにもよく出られていた歌手の浜田ケンジさんと、師匠のご子息である俳優・駿河太郎さんが大の仲良しで、でまた、浜田ケンジさんはご自身のライブでも落語をされることがあるぐらいの落語好き。

ある日、太郎さんから「北陸のおでん屋で落語やってほしいんやけど、どう?」と言われ、浜田ケンジさんと音楽と落語の会をでやらせていただいてからのご縁で、僕も毎年呼んでいただくようになったんです。

高田エージさんとご一緒した時なんて、お客さんの前で歌を歌うという顔から火が出るほど恥ずかしい経験もして。

でまた、大将が音楽と同じくらい好きなものが、『鶴瓶・上岡パペポTV』。

好きが高じて、僕の独演会の時には最初にパペポのオープニングテーマをかけて大将とのトークからスタートするのが通例に。

いつかこのことを言わなければ……と

ある時、意を決して

「◯◯さん(大将の名前)、実は僕、パペポを全く知らずに入門したんですよ」

と告げると、大将の口はしばらく閉まりませんでした。

そんな大将は20~30代の頃、有馬温泉の旅館で料理人をしていたそうで、聞くと僕の実家のすぐ近くに住んでいて、行きつけの散髪屋さんが同じだったことが判明して、

大将 「お父さんの方が散髪うまかったよな!」
べ瓶 「いや、息子さんの方が上手かったですよ!」

大将 「いや、お父さんや!」
べ瓶 「いや、息子さんや!」

大将 「顔剃りはお父さんの方が上手かった!」
二人 「それは間違いない!」

……すみません。

ボチボチ本題に入りましょう。

そんなそんなご縁ある大将が作る、おでん。

これがね、お世辞抜きでほんっっっとうに美味しいの。

普段は、ただの音楽&鶴瓶好きの変態オヤジやと思ってるんですけど、このおでんを食べてしまったら、全部がチャラになっちゃうくらい。

昆布、鰹節と薄口醤油を合わせたあっさりめのお出汁に、スタンダードな具材プラス、その時その時の旬の具材から染み出す旨味とが合わさって、さいっっこうに美味しいんです。