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ブルースの聴けるおでん屋 kazeさんの「蟹面」(石川県加賀市)

「べべログ 心がホワ~ンとするグルメ」 第4回

甲羅の中に詰まった「内子」と「哀愁」

「べ瓶ちゃん、蟹面(かにめん)、食べたことある?」
「蟹ラーメン?」
「ちゃうわ!! よし、ほんなら今度来てくれた時に用意しとくわ!」

と大将に言われ、去る11月下旬、独演会の終了後の打ち上げで出してくれたのが、香箱ガニのおでん、蟹面でした。

一目見た瞬間、その美しさに感動してしまいました。

きれいにほぐし取られたカニの身と、その中に潜むカニ味噌。

それだけじゃない。

それを彩るオレンジ色の粒粒と、茶色の粒粒。

この粒粒はそれぞれ内子、外子といって、オレンジが未成熟卵、茶色が成熟卵なんですって。

口に入れた瞬間、これら卵のツブツブ食感と香箱の程よく引き締まった身の弾力感が相まって。

これだけでも十分美味しいのに、そこに日本料理一筋でもうすぐ40年になる大将が日々追求して作りあげた、おでん出汁が口の中を駆け回るんです。

ビバ、薄口醤油。

美味しすぎて、しばらく声が出ませんでした。

ようやく出た言葉が、

「◯◯さん、何これ」

でした。

いや、もう◯◯とかやめよう。

もとい、

ようやく出た言葉が、

「マコトさん、何これ」

でした。

食べ進めるにつれ、

完食したくない!

という想いがどんどん溢れてくる。

大きすぎず小さすぎず。

この、甲羅の程よい大きさが、哀愁をより引き立ててくる。

「マコトさん、これはあかん」
「めちゃくちゃ美味しいやろ」

「散髪屋のお母さん思い出したわ」
「なんでやねん」

という会話はさておき、この日本という国に生まれたにも関わらず、今まで蟹面というお料理を全くもって知らなかったことが情けなく思うぐらい、素晴らしく美味しかったです。

絶対に一度食べてみてほしい逸品です。

皆様、北陸に足を運んだ時には、ぜひ山代温泉まで足を伸ばして……

と言いたいところですが、実は「ブルースの聴けるおでん屋 kaze」さんは、来年、金沢の片町に移転する予定。

というわけで、来年の11月にはリニューアルしたお店で蟹面がいただけるかも、なんです。

皆様、ぜひ来年11月のスケジュール帳に

「ブルースの聴けるおでん屋 kaze 蟹面」

と書いておいてください。

もしかしたら、お店に伺ったその日は、僕の独演会がオマケでついてる日かもしれません(笑)

お店の情報

ブルースの聴けるおでん屋 kaze

住所:〒922-0242 石川県加賀市山代温泉カ96-2
営業時間:18:00 ~ 00:00
定休日:木曜日

※なお店舗移転のため、2026年1月初旬をもって現店舗を閉店予定。

    (2025年12月20日時点の情報です)       

ブルースの聴けるおでん屋 kazeのホームページ

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(毎月20日頃、掲載予定)