死語について

「すずめのさえずり」 第六回

残しておきたい言葉

 嘆いてばかりでは何も生み出さないので、この世界に入って知った素敵な言葉をばひとつ。

 といっても、いわゆる符丁ではない。ときどき落語の解説本などで、ご丁寧に符丁の解説をしているものがあるが、内部だけで使う言葉だから符丁なのである。

 寿司屋で「大将、お愛想」なんて言っているオッサンを見ると

 「ケッ、○○○の×××××(炎上がこわいので自粛)め」

 と思ってしまう私から見ると野暮の極みであり……ああ、人はこうして……よそう。

 ざっかけない、という言葉、いわゆる東京の方言らしい。

 垢抜けないという意味もあるが、気を遣わずに済む、肩肘を張らなくていい、というふうに使う。

 「ざっかけなくていいね、この店」

 というように。

 いったい昔の言葉というものは、現代語に訳すとはっきりひとつの意味に収まらないような、漠然とした雰囲気を持つものが多い。

 我々の世界ではまだ現役の「了見(料簡)」にしても、考え方、考えることという意味でもあるし、「了見しろい」と言えば「わかってくれ」というようなニュアンスになる。

 お試しあれ。

 今日びよくあるネットの炎上なども、このように狭義に留まらない言葉であれば、少しは起こりにくいのではないかと思うがどうだろう。

 古いものがなんでも良い、という考えは、それはそれで間違っていると思うのだが、それでも残しておきたい、使っていきたい言葉というのはある。

 私は、少なくとも来年いっぱいは断固としてエックスではなくツイッター、ポストではなくツイートと呼んでやろうと思っている。

 皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

古今亭志ん雀 X(旧Twitter)

https://x.com/konkonshinkichi

2026年1月のピックアップ公演はこちら。ご予約お待ちしてます!

三つ巴

Mitsudomoe

  • 日程:
  •  2026年1月21日(水)
  •  開場18:00 開演18:30
  • 会場:
  •  池袋演芸場
  •  (豊島区西池袋1-23-1 エルクルーセ)
  • 演目:
  •  志ん雀『寝床』
  •  わん丈『厩火事』
  •  志う歌『鰍沢』
  • 料金:
  •  前売3,000円 当日3,300円
  •  
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(毎月26日頃、掲載予定)