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花粉の話

「お恐れながら申し上げます」 第7回

まだ慣れておりません

 しかし、一方で『認めたくない』という思いも沸き上がってきます。

 『花粉症は大変なものだ』という印象が強く、一度なってしまうと苦労が絶えないだろうと不安になりました。『認めなければ、花粉症じゃない』という精神で自分を誤魔化せないかと本当に思っていました。ですが、症状が出ていると差し障りがあります。

 しょうがないと覚悟を決め、紫の箱の薬を飲んでみました。あまり体調に変化はありませんでした。花粉症ではなくて、別の何かかもしれない。花粉症よりはましだろう。良かったと一安心です。

 しかし、鼻水は止まりませんし、目もかゆいままです。おかみさんとその話になった時に、“薬の相性がある”ということを教えていただきました。おかみさんに勧めていただいた薬を試してみました。ぴたりと症状が治まりました。

 この時に、私は花粉症であることが確定しました。症状が楽になって、とても嬉しかったです。同時に花粉症であるという事実が突きつけられました。これから花粉症と付き合っていかなくてはいけないなと覚悟を決めました。

 花粉症だと認めてしまえば、あとは対策を練るだけです。おかみさんお勧めの薬を常備し、目薬を買って、花粉を弾くスプレーも準備しました。

 しかし、1つ問題があります。それは“習慣になっていない”ということです。慣れていないことは、意識しないと続かないものです。薬がなくなると買うのを忘れてしまいますし、目薬はさすのが面倒で置いてあるだけになります。スプレーは、使った覚えがありません。

 習慣化してしまえばなんてことはないのでしょうが、1年のうちの限られた期間で、これを“当たり前のこと”としてこなしていくには時間がかかります。まだ発症してから数年の若輩者なので、身につきません。

 家を出てしばらくすると「鼻がムズムズするな、目がシパシパするな」と感じて、そこで初めて花粉症だと思い出します。次の日は、改められるのですが、数日するとまた忘れてしまいます。これを繰り返して5年が経とうとしています。今年こそは習慣にしたいと思っています。