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このキなんのキ気になる一記

「コソメキネマ」 第十一回

このキなんのキ気になる一記

今回は、国が崩壊した悲劇を愛と狂気で描いた外国映画をご紹介!

港家 小そめ

執筆者

港家 小そめ

執筆者プロフィール

一記さん

 講談師の田辺一記さんとは、共通の友人を通して知り合いました。初めて会ったのは一記さんが田辺一邑先生に入門した頃で、まだ初舞台前だったかと思います。

 確か浪曲映画祭が開催されていたユーロスペースでした。友人から講談師になった人がいると聞いていて、こんな身近に講談師が!と思っていたので、映画の後、その友人も含めてお茶をしました。

 訥々とした語り口ながら、かといって話が途切れることもなく、話しやすい人だなぁと思いました。

 この後、しばらくして、ひょんなことからご自宅に伺う機会があり、会って二回目くらいにも関わらず、その頃、割とヤサグレていた私は「今日はどうしても家に帰りたくないので、泊めてください」と言って泊めてもらいました。

 一記さんはカレーがお好きなようで、当時複数のカレー屋さんでバイトをしていました。翌日、その日バイトに行くカレー屋さんがとっても美味しそうだったので、バイトに出勤する一記さんと一緒にカレー屋さんに向かい、カウンターから立ち働く一記さんを眺めながらカレーを食べた記憶があります。カレー、美味しかった(会って二回目なのに……我ながら遠慮がなさすぎる……)。

 2023年に山形国際ドキュメンタリー映画祭で『絶唱浪曲ストーリー』が上映されるというので、山形まで観に行くことに。

 映画を観終わって、ロビーに出ると、一記さんがいるじゃあありませんか!

 びっくりして、なんでここに! 肩を掴んでブンブン揺すってしまいました。よくよく聞いてみると、ドキュメンタリー映画が元々好きだとのこと。そういえば佐藤真監督のドキュメンタリー映画『阿賀に生きる』の制作過程を講談にしたいと言っていたことを思い出しました。

 夜、河原で宴会があり、コンクリートの橋脚に映された一記さんの好きな『阿賀に生きる』を観ながら、一緒にお酒を飲んだのも思い出深いです。

 一記さんとはもちろん演芸の楽屋で会うこともあるのですが、意外なところで会うことが多く、新潟での阿賀に生きる追悼集会やライブハウス、映画館など、演芸以外の場所で偶然会うことが多く、フットワークが軽やかな人という印象。

 普段は淡々とした方ですが、ひょいと出てくる話や興味の持ち方が人と違っていて面白い。そして、内側に何か一本曲げられない芯のようなものを持っている気がします。

丸いシルエットの髪型がトレードマークの一記さんでしたが、最近は伸ばしている模様

新潟での出会いは、連載の第一回で書いています。ご興味ありましたら。