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3月8日は、餃子の日 →無茶苦茶、食う男の偉業

「エッセイ的な何か」 第10回

 『百老亭』というのれんをくぐり、師匠がガラガラっと引き戸を開ける。

 顔なじみらしく、亭主の顔を見るや否や、

 「餃子、二百個!」

 ……!? 二、二百個?

 これから十人ぐらい来て、パーティーでもするのだろうか……とも思ったのだが、カウンターしかないような店である。この後に複数名くるような感じでもない。その注文に動じることなく、黙々と大量の餃子を焼き続ける親父。

 「腹いっぱい食えよ」

 なるほど、きっと痴楽師匠は大食漢なのだ。それでこんなに大量に頼んだのだろう。

 と、思いきや十五個ほど食べたところで、

 「フゥ~、よし、後は食べろ……」

 師匠!? あと、百八十五個ほど餃子が参りますよ! キャンセル、キャンセル! こんなもん人間の食べる個数じゃないもん。フードファイターじゃないんだから! ……などとは、入りたての前座は到底物申せず、ただ無心にパクつくしかない。

 まあ、新発田の餃子のイメージからすると、相当に一つが小さい。一口餃子に近いかもしれない。そして美味しい! これだったら行けるか? ……などと思っていたが、やはり百八十五個という数が重くのしかかってくる。

 しかし食べましたね。若さと意地で。「美味しい!」と思いながら食べられたのは、せいぜい六十~七十個ぐらいまでだったと記憶しているけれども。

 「師匠、ご馳走様でした!」
 「おお、食ったなー!どうだ、かた焼きそばも行くか?」

 ……卒倒しそうになりました。

 このエピソードは、あくまでも四半世紀前のコンプライアンスかつ、痴楽師匠の親切さなので、そこのところはご了承ください。

 しかし、どうにか勢いで食べられちゃうもんだ。

 でも、あれから「あいつは無茶苦茶、食うぞ」という噂が広まり、有難いことに皆様からご馳走になる機会が増え、体重二十五キロ増という偉業を成し遂げたのだった。

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